2015年5月28日木曜日

646.「一生お金に困らない生き方」 心屋 仁之助

この本の内容も著者の他の著書「「好きなこと」だけして生きていく」と同様、なかなか素直に受け入れられず、真似することに抵抗を感じました。

神社の賽銭箱に10,000円を入れるって、かなり躊躇します。

「僕は長い間、顧客のニーズに応えて生きてきました。顧客のニーズ、顧客が求めるものを追求していけば、必ず結果が出るという商売と人生の鉄則が世の中には王道としてあって、僕もそれをめざして生きてきたのです。それはそれで結果は出ますが限界がくるのです。(本文より)」

え~。この考えって違うの?僕も根底にはこの考えが染み付いています。

「顧客の要望や期待に応えるのではなく、自分の要望に応える。それは自分の「存在給」を上げるということです。(中略)言い方を変えると自分が心から楽しいことをすることで自分のテンション、波動が上がり、それが周囲の人におよぶのかもしれません。(本文より)」

「存在給」というのは、何もしないでもそこに存在しているだけでもらえる収入のことです。著者は自分の奥さんが仕事をしていないのに役員給与をもらって、それを当然と思っていることを例に上げています。

私は疑い深いので書かれている内容の全てを鵜呑みにはできませんでした。

ただ「「好きなこと」だけして生きていく」でも主張されているように、自分が楽しいと思えることをするだけでも何とかなるのかなと、自分の固定観念が少し崩れました。




2015年5月27日水曜日

645.「放射線医が語る福島で起こっている本当のこと 」 中川 恵一

国連科学委員会の報告書によると、福島では放射性による発がんは増えないそうです。ひとまず安心しました。

他の本で読みましたが、放射線でがん細胞を発生させるには、25シーベルトを浴びせる必要があるのですが、人間は、3.5シーベルトの放射性を浴びると半数が死亡してしまうそうです。

福島では5ミリシーベルトの被ばくですから放射線による発がんの可能性は低いそうです。

CTスキャン1回で7ミリシーベルト被ばくするので、福島での被ばくはCT以下です。ちなみに世界のCTスキャナの3分の1が日本にあり、日本は世界一の医療被ばく国です。

しかし、放射線での発がんが少ないとしても、がんを発症する人は増えることが予測されます。それは、避難生活による喫煙や飲酒の増加や、運動不足です。これらは放射線以上に発がんの確率を高めます。

発がんの原因を特定することは困難ですから、数十年後に福島でがんを発症した人が増えた場合、放射能漏れが直接の原因とされるかもしれません。


2015年5月26日火曜日

644.「「好きなこと」だけして生きていく。」 心屋 仁之助

こういうタイトルって惹かれますね。惹かれるっていうことは、自分がそうでないことの裏返しでしょうか。「好きなこと」をしていないのか、「好きなこと」だけして生きていくことが困難なのか。

読んでいて心地よいのですが、自分がやろうとして、本当に書かれているようになるのか、疑問を持ってしまいます。ということは、自分の考えの根底には書かれている内容を否定しているからでしょうか。

大雑把な内容は、頑張るのをやめて、ただ自分には価値があると信じる。
「いい人」ぶるのをやめる。
好きなことをして仕事はしない。人に迷惑をかける。人に助けてもらう。嫌な人になる・・・

なかなか真似するには抵抗がある内容です。ただ、頑張ることだけが上手くいく唯一の方法という考えからは開放されそうです。


2015年5月25日月曜日

643.「その女アレックス」 ピエール ルメートル

「週刊文春2014年ミステリーベスト10」、 「ミステリが読みたい! 」、「IN POCKET文庫翻訳ミステリー」の3つのランキングで全て1位の作品です。

看護師のアレックスは、ある日路上で男に暴行され拉致されます。廃屋の中で全裸にされ、窮屈な檻に監禁されて放置されたアレックスは徐々に狂気へと近づいていきます。弱ったアレックスにネズミが近づき、喰い殺す機会を狙います。

女性が拉致さたという通報を受けた警察は、被害女性のモンタージュを作り捜索します。彼女を知っているという人を何人か見つけたのですが、口々に違う名前を語ります。

果たして、被害者は誰なのか・・・

話が二転三転し、意外な結末に辿り着きます。非常に良質なミステリーです。



2015年5月22日金曜日

642.「がんの練習帳」 中川 恵一

どんな人でも、毎日5000個のがん細胞が発生し、免疫細胞がすべてを殺しているそうです。

免疫細胞が見逃したがん細胞が分裂し、成長したものががんであるため、がんになるか否かは確率論の問題です。誰にでもがんになる可能性があり、歳を取るほどに可能性が上がっています。

日本では、2人に1人ががんにかかるそうですが、それは日本が長寿大国になったからです。

がんは、早期に発見できれば治癒が可能であるため、年に1度の健康診断が有効だそうです。

そして、治療法には、手術、抗がん剤、放射線の3つがあり、費用も高ければ効果があるというわけではないそうです。

情報収集が大切と感じました。



2015年5月21日木曜日

641.「CIA諜報員が駆使するテクニックはビジネスに応用できる」 J.C.カールソン

著者は、「スターバックス」「バクスターインターナショナル」「テクトロニクス」など有名企業での勤務したあと、CIA諜報員として10年間勤務し、作家に転じました。

本書は、主に、協力者の作り方と情報管理についてのCIA諜報員が使っているテクニックについて述べられています。

ビジネスではSWOT分析のうち、強みを伸ばすことが重視されますが、協力者を作るには相手の弱みをつけといいます。そして、諜報員には機会や脅威などは分析する時間も必要もないとのことです。

人物分析の具体的な演習方法などもあり、とても実用的だと思いました。



2015年5月20日水曜日

640.「頭がよくなる思考術」 白取 春彦

とても薄い本なので、気軽に読み始めましたが、「はじめに」の部分でさっそく気づきがありました。

それは、「考える」ということを6つに分類して説明しており、言われてみれば、正にその分類に思い当たりました。

本書に書かれている内容は、具体的かつ実用的です。

私が、特に気に入ったのは、

  • 書いて考えよ
  • 「なぜ、どうして」と問え
  • 知識を増やせ
  • 俯瞰する眼を持て
  • 「絶対安静時間」を持て
です。

早速、実行したいと思います。


2015年5月19日火曜日

639.「外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々」 藤沢 数希

外資系金融の世界では、年収2,000万円だと、低収入だそうです。すごい業界ですね。

外資系金融について、非常にわかりやすく書かれています。宝くじで胴元が儲かる仕組みを解説し、基本的にはこの仕組みが保険や証券が儲かる仕組みと同じであるといいます。

日本の銀行は、本来業務である企業への貸付が儲からなくなったため、市場から借り入れた低利の資金で日本国債を買い、その利ざやで利益を出していますが、これが結構な利益を生んでいるそうです。

一方、外資系金融は、市場から低利で借り入れた短期資金で高利の長期債権で買い、儲けると多額の報酬を受け取り、潰れそうになると政府に介入してもらうそうです。

本書で初めて知ったのですが、「投資銀行」とは、実は「証券会社」のことだそうです。学生や顧客に凄そうに思わせるために、そう名乗っているのだそうです。すっかり騙されてました。


2015年5月18日月曜日

638.「「ズルさ」のすすめ」 佐藤 優

「ズルさ」というのは決して悪い意味ではなく、「賢く」生きようという内容です。


実践的なノウハウが具体的に書かれており、大変参考になりました。

特に気に入った項目は、

  • 「最悪のシナリオ」を書き出してみる
  • 目に見えない他者と向き合う
  • 人脈は仕事の中でつくるもの
  • 「賢者の時間を大切にする

です。

例えば、「最悪のシナリオ」を書き出してみるでは、起こりうる問題を一度ノートに書き出してみるを薦めています。家族の死や自分の失業などを可視化することで、問題が明確になり、問題に対する向き合い方が変わるとのことです。

非常に有効と思われるので、取り入れようと思います。



2015年5月15日金曜日

637.「大阪都構想が日本を破壊する」 藤井 聡

京都大学教授の藤井先生による、大阪都構想に関する7つの事実と7つの真実です。

私は、ずっと東京で育ったので大阪都構想はよく分からないし、深い関心もありませんでした。しかし、この本を読んで、大阪都構想は大阪に限らず、日本全体に影響を及ぼすことが分かりました。

大阪都構想とは、大阪府の単なる名称変更ではありません。
大阪府のうち、3割を占める大阪市を5つの特別区に分割し、それまで大阪市が担っていた自治権を大阪府に移管して、それに要する税金2,200億円を大阪府が徴収するということです。

そのため、大阪市がこれまで持っていた都市開発の権原とその予算が大阪府に取り上げられ、大阪市以外の出身者が7割を占める府議会によって、大阪市の自治が決定されるというものです。

徴収された2,200億円は目的税ではないため、実際には、巨額の赤字に喘ぐ大阪府の損失補てんにも使用される可能性が高いです。

そもそも、単に大阪市が5分割されるだけの決議なので、可決されても大阪府が大阪都にはなりません。分割後に都への名称変更のための決議が別途必要になります。

大阪市民にとって不利益が大きい大阪都構想ですが、なぜこの構想が推進されたのでしょうか。それは、現大阪市長が大阪府知事だったときに、大阪府の負債を増大させ、それを解消するために財源豊かな大阪市に目を付けたのかもしれません。



2015年5月14日木曜日

636.「歴史再検証 日韓併合―韓民族を救った「日帝36年」の真実」 崔 基鎬

日本は韓国を植民地化したのではなく、併合、すなわち日本化したのだということがよく分かりました。

なぜなら、当時の韓国帝国には資本も資源も人材も技術もなく、奪えるものは何もなかったからです。

そのため、日本は、多額の資本、一線級の人材、技術を惜しみなく投入しました。その総額は80億ドルにも及びました。

一方、英国などの植民地政策は資本投入によって産業振興する気などなく、原料収奪型です。この違いからも植民地にしたのではないことは明らかです。

その証拠に1910年の併合当時に1313万人だった人口が、1942年には2553万人まで増えています。原料を収奪して、国民を奴隷のように使っていたなら、たった30年で人口が2倍近くまで増えることはなかったでしょう。

しかし、この日本化がのちに恨みを買うことになり、この産業振興で併合前から国民が豊かで平和に暮らしていたという錯覚を引き起こしてしまいました。

この本は韓国人の元大学教授により書かれています。日本人、韓国人ともに史実に基づいた客観的な歴史認識が必要と考えました。



2015年5月13日水曜日

635.「家族喰い――尼崎連続変死事件の真相」 小野一光

少なくとも3つの家族が喰われて消滅した尼崎連続変死事件のノンフィクションです。登場人物が多くかつ、喰われた家族の子ども達が角田美代子の養子となっているため、非常に複雑で理解しづらいです。

警察の対応が本当に遅い。というより、ほぼ門前払いです。理由は、角田美代子が家族同士で殴らせたりしているので、家庭の問題となり、民事不介入として警察が介入してこないのです。非常に巧妙な手口です。

しかし、角田ファミリーが恐れていたのは、警察と弁護士でした。警察と弁護士に駆け込むと、お金をむしりとるのに手間がかかるためです。

事件の発覚となったのは、被害者の大江さんが事件が起きた兵庫の警察ではなく、大阪府警に駆け込んだからです。他県の県警に駆け込まれて、面子を潰された兵庫県権が仕方なく動き出して、連続殺人が発覚しました。最初から兵庫県警が動いていれば防げた連続殺人でした。

角田ファミリーの事件は、たまたま明るみに出ましたが、大江さんの事件が発覚しなければそれ以前の猪俣さんや谷本さんの事件は闇に葬られたままでした。

こういった事件で、まだ明らかにされていない事件がまだまだあるように思いました。


2015年5月12日火曜日

634.「人生をいじくり回してはいけない」 水木しげる,

漫画家水木しげるさんのエッセイ集です。

大東亜戦争の悲惨な現実の一端が淡々と、しかし、切実に描かれています。そんな中でも、のんびりとマイペースで生き抜いたため、周りからは馬鹿と思われたようです。片腕を失っても悲嘆に暮れること無く、将来を絶望するでもなく、その時その時を生き抜いていきます。

戦時中、部隊長が中国で村長の家へ部隊を率いて押しかけ、娘を拉致し手篭めにします。一ヶ月間監禁し、捨てたために娘は自殺します。こういったことが日常的にゲームのように行われていたのでしょう。

従軍慰安婦の強制連行は疑わしいですが、こういった個人ごとの蛮行は日常茶飯事だったと思われます。戦争というものは人間の獣性を明らかにする恐ろしくも悲しい行為です。


2015年5月11日月曜日

633.「未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる」 ちきりん

著者の論理の根底には、人口減少による需要縮小とグローバリズムへの傾倒とがあるように感じました。

そのどちらにも賛同できないため、著者が薦める働き方が主流になるとは思えませんでした。

しかし、自らの働き方を考えるよい刺激になりました。そして、日本の通常の働き方が合わない人にとっては、それ以外の働き方のヒントにもなるのではないでしょうか。

40代後半から、第二の仕事をやるという考え方には基本的に賛成です。ただ、著者のような独身者は実行しやすいですが、扶養家族を持っていると簡単にいかないでしょう。実行した場合には収入減に長い間苦しめられる可能性が高いと思います。

本書を読んで、今の働き方を考えたり、現状の仕事を変えられないという固定観念から逃れたりできることは、良いことだと思います。


2015年5月8日金曜日

632.「怒らない人は、うまくいく。: 品格を高める61の方法」中谷 彰宏,

たいへん読みやすい本です。

一文がとても短く、それを連ねていきます。1つのテーマを見開き1ページくらいでまとめていくので、主張と理由がはっきりしています。書きすぎず、空間が多いので読み手のプレッシャーになりません。様々な方法が書かれており、その理由も書かれていますが、根拠はあまりありません。

なんとなく納得しますが、読後にあまりのこりません。そのため、軽い満足感と不足感が生じます。だから、この著者の本は次々に売れるのでしょう。

気晴らしに読むにはよい本です。


2015年5月7日木曜日

631.「「反原発」の不都合な真実」 藤沢 数希

意外な事実で驚きました。

まず、原発をゼロにすると、火力発電で代替する必要があり、その結果、大気汚染で死亡する日本人が年間約3,000人増えると試算されます。

そして、原子力発電を火力発電に代替するのに必要な燃料費で年間約4兆円必要となります。これは、福島第一原発の被害者への賠償金約4兆5千万円に近い金額です。これが現在の日本の貿易赤字の要因となっています。

原発といえば、放射線が不安視されますが、実は、石炭にウランなどの多くの放射性物質が含まれているので、石炭発電が多くの放射線を発してしまいます。

原発を風力や太陽光で代替しようとした場合、原発1基を太陽光で代替する場合、山手線の内側の面積が、風力で代替する場合、山手線の内側の面積の3.7倍の面積が必要となります。しかも、陽が陰ったり、風が止まると発電も止まります。そのバックアップのために火力発電所を空焚きしていると、CO2を増やしてしまい、かえって大気を汚染してしまいます。

原子力発電に匹敵するエネルギー効率がよい発電技術が開発されるまで、原子力発電も併用せざるを得ないのでは・・・。






2015年5月1日金曜日

630.「韓国人が暴く黒韓史」 シンシアリー

反日の根底には、韓国という国家の存立の正統性の欠如にあるようです。

現在の韓国は、百済、新羅、高句麗のいずれの後継国なのでしょうか。高句麗の後継国である高麗からKOREAと呼ばれていますが、韓国の人は、百済が起源だとも主張しています。

しかし、1948年にアメリカから権限移譲された韓国臨時政府は、それらの国や、李氏朝鮮とも係属関係にありません。そのため、現在の韓国は、1948年8月15日に建国されたとも言えます。

こういった正統性の欠如から、自らのアイデンティティを確立するために、大国からの承認に依存したり(事大主義)、対立軸として日本を攻撃しているようです(反日)。

「自らが中国に認められた国であるのに、その弟分の日本に併合されたことが許せない。」
「自らの出資が不明確であるのに、天皇を2675年も戴き継続している日本は妬ましい。」
こういった思いが根底にはあるのかもしれません。

自らのアイデンティティがないため、歴代大統領も反日教育を強化しました。その結果、現在では、反日と愛国が同意義になってしまっています。

その一方で、韓国から日本への観光客が増加し、「共通の価値観」という標記が削除されると騒ぎ、「韓日関係を改善したいなら」と連呼し、日本がもう興味を失っている日韓関係に固執していることから、内心は日本が嫌いでないようです。

反日が韓国の求心力である以上、両国の関係は改善しないと思います。そして、過去、日本が朝鮮半島に関わって良かったことはひとつもないので、親密にならない状態がよいと思います。