2016年4月28日木曜日

915.「女ともだち」 真梨 幸子

東電OL殺人事件をモチーフに書かれたようです。あの事件の不可解さも反映されています。

読み終えるとすごい伏線が貼られているのですが、その伏線が巧妙すぎて、覚えていませんでした。

最後に因縁を明かされても思い出すことができず、ページを遡っていって、やっと気付きました。

読み返したら、もっと気づく点が多いとは思いますが、ミステリーはすぐに読み返すものでもないと思うので、またの機会に。

小説全体の構成が素晴らしいと思います。
新興住宅地ならではの嫉妬心や、開発前の土地の因縁などがうまく描かれています。



2016年4月27日水曜日

914.「民主主義ってなんだ?」高橋 源一郎、 SEALDs

SEALDsについて、その設立経緯から活動実態までよく分かりました。

3人の主力メンバーのプロフィールなども紹介されています。それぞれ、多様な生い立ちでしっかりと自分の意見を持っているところが素晴らしいと思いました。

ただ、意外だったのがSEALDsという団体が議論や学習を深めた結果、デモを起こさざるを得ないという結論に至っての行動ではなく、参加したデモが面白かったからという動機でスタートしたようです。

多くのデモ参加者も主義に賛同したというより、デモに対する面白さによって参加したように感じました。安保闘争の時のような、放水や検挙が行われていても自分の主義のために参加するという気概がある人は少数のようです。悪く言えば、文化祭のノリです。

その行動は、間接民主主義を否定し、直接民主主義を強行しようとするものにも取れます。
つまり、自分達が選出した代議士が決めたことが気に食わないから、自分達の意見が国民の総意だとしてこれを潰そうとしているように見えます。

議論を尽くして全員の同意を得ることが直接民主主義ですがそれは時間がかかり過ぎるし、非常に困難です。そこで代議士を選んで多数決で決めるという間接民主主義を採用した以上、自分の意見は選挙で示すべきと考えました。

2016年4月26日火曜日

913.「ふたり狂い」 真梨 幸子

タイトルにある「ふたり狂い」ですが、狂った人と一緒にいると、もう一人も狂ってしまう症状のことです。

様々な狂気の原因となった狂人は、非常に意外な人でした。

人気女性誌「フレンジー」に連載の人気連載小説「あなたの愛へ」がきっかけで、様々な人が壊れていきます。その壊れていく様をそれぞれの視点から描いています。

読んでいて「嫌な気分になる」というより、自分の「視点が狂っていく」という感覚です。

それにしても、著者の作品には、「心理的瑕疵物件」がよく登場します。そして、4と2と1を含んだ部屋も。偶然でしょうか。

読んだ後は、今自分が目にしている周囲の人達も、どこか壊れているのかもしれないという不気味さを感じます。

2016年4月25日月曜日

912.「どん底から最高の仕事を手に入れるたった1つの習慣」 福島 正伸

起業家の道と会社員の道を選んだ2人の友人の物語です。

柴田は大学卒業後、就職せず自ら起業します。
田中は大学卒業後、安定を求めて大手企業に就職します。

自分の信ずる道に進んだ2人ですが、どちらも理想と現実の差に苦しみます。そんなときには、2人でお酒を飲んでお互いを励まし合うのでした。

そして、浮き沈みを経ながら手に入れた、最高の仕事とは・・・

柴田は著者自身がモデルで、実話がかなり含まれているそうです。

福島先生といえば、創業時の苦労話をよく聞くので、その後は順調に事業を伸ばしたという印象でしたが、その後もご苦労されていたのですね。

私が考える最高の仕事を手に入れるたった1つの習慣とは、あきらめないで続けることです。そうすれば、すべての体験が成功するための経験になると思いました。

2016年4月22日金曜日

911.「クロク、ヌレ!」 真梨幸子

登場人物は皆、体面を気にし、見栄を張って生きています。

周囲から羨望の目で見られても、内実は火の車です。調子がいいのは一時だけで気を抜くと転げ落ちていく状況です。

そして、周囲からは嫉妬され足を引っ張られます。

そんなドロドロの人間模様のなかで、誰もが自分の欲のために動き、地位やお金を得るために話をでっち上げます。

彰夫を殺した真犯人は・・・ 
意外な人物でしたが、その動機に納得しました。

そして、ジョー・コモリを殺した真犯人・・・
多くの読者がページをさかのぼり、確認するでしょう。

よくできたカラクリに感心しました。

2016年4月21日木曜日

910.「「地政学」は殺傷力のある武器である。兵頭二十八

期待していた内容と異なりました。

地政学の考え方を教え、過去と現在の紛争に当てはめ、争いが起こる理由や争いの防ぎ方を解説して、将来を予測する内容を期待していました。

しかし、本書は、第一次世界大戦を中心に、それ以前から地政学がどのようにして起こり、どう発達していったかを解説しています。

国と国との対立を概観するのではなく、それぞれの戦闘が起きた理由や勝敗のポイントが詳述されています。

どうして殺傷力のある武器なのかは、私の勉強不足のため、最後までよく分かりませんでした。

地政学というよりは、戦争に関する世界史の本のように感じました。

2016年4月20日水曜日

909.「売れるコンサルタントになるための営業術」五藤 万晶

本書の主な主張は、「自社セミナーを開催し、それをきっかけとして、コンサルティングを受注する」とにまとめられると思いました。

割とごく普通のことが本書の秘訣だと感じました。

ただ、普通だから効果がないという意味ではなく、普通のことをしっかりやることが結果に繋がるのだと思いました。

自社セミナーへの導引には、ダイレクトメールを使います。

そして、ある程度受注したら、ダイレクトメールを広告や書籍から自社サイトに誘導したり、コラム、メルマガ、小冊子、月刊誌などの、よりコストがかからない媒体にシフトして、新規見込み客開拓を行います。

ただ、これらに対する各論は他の人の書籍に譲るとして、本書には書かれていません。

書籍を出版しただけでは新規受注はできないし、紹介に頼った受注は、生殺与奪権を他人に委ね、徐々にジリ貧になるという指摘は、その通りだと思いました。

2016年4月19日火曜日

908.「カンタベリー・テイルズ」 真梨 幸子

パワースポットをテーマにした短編集です。

短編中の印象的なエピソードが重複します。

著者の初期作品ということもあり、嫌な気分にさせる濃度はまだ薄いです。

その中でも、本書のタイトルとなった、2作目の「カンタベリー・ティルズ」は著者の真骨頂を彷彿させる、不気味でイヤ~な感じが出ていて、一番面白かったです。

読みやすく、ひねりも効いている、気軽に楽しめるホラー小説です。

2016年4月18日月曜日

907.「安売り王一代 私の「ドン・キホーテ」人生」 安田隆夫

著者は、「ドン・キホーテ」の創業者です。

新興小売店と思っていたドンキは、1989年に1号店をオープンしていますから、すでに創業27年にもなります。今や東証一部上場の大企業です。

著者は、2015年6月にグループ各社から退き、世襲もしなかったので、きれいな引き際と言えます。ただ、依然として筆頭株主であるため、いつお家騒動が起こるかは分かりません。

これだけの大企業ですが、創業から現在に至るまで、経営理論やコンサルティング会社を活用していないようです。

「圧縮陳列」、「POP洪水」、「ナイトマーケット」といった、特徴的かつ独特な経営手法は、すべて実務で試行錯誤しながら生まれたもののようです。

そのため、経営学者がこれを分析しても、他社は形だけしか真似できないものと思われます。なぜなら、経営手法と企業風土は一体となって形成されたものであるため、異なる企業風土に導入しても、上手く運用できないからです。

とても面白く、企業経営の実態に触れることができました。

2016年4月15日金曜日

906.「ITビジネスの原理」 尾原 和啓

ここで言う、「ITビジネス」とは、インフラの話ではなく、インターネット上でのビジネスのことです。本書はインターネットの草創期から現在に至るまでのネットビジネスの潮流を概観しています。

今、起きているネットビジネスには注意が向くのですが、こういった全体の体系を考えることはないので、勉強になりました。

ネットビジネスの原理は、マッチングビジネスだと理解しました。

情報の格差を利用し、ビジネスとしていた時代から、インターネットによって誰でも情報に接触できるようになったため、情報格差がなくなり、格差を利用したビジネスが減少しました。そこで生まれてきたのがこの情報への接触をどう誘導するかであり、それがgoogleでありFacebookのようです。

また、日本ではインターネットゲームが巨大な市場になっていますが、こういった使う側に実需を生まないビジネスが人間にとって意味があるものなのか、考えてしまいました。

2016年4月14日木曜日

905.「中国、大失速 日本、大激動 世界情勢から見た、日本経済のゆくえ」 宮崎 正弘

著者のメルマガを読んでいるのですが、本書はメルマガで書かれていたことが体系的にまとめられ、さらに新しい情報が付加されています。

まさに今、世界で起きている事件と、その裏にある情報が余すこと無く伝えられています。

これからの世界、特に中国の崩壊と、それによる日本への影響も予測されています。

ほんの数年前までは、マスコミは中国の発展が永続するように褒め称えていましたが、著者はすでに崩壊を予言していました。最近になり、マスコミも中国の崩壊を言い始めましたが、中国政府は、なんとか持ちこたえて、崩壊を先送りしています。

ただ、外貨をどんどん喰い潰して株価を支えているので、2017年の全人代までに大きな事件が起こるのではないかと、思います。

2016年4月13日水曜日

904.「四〇一二号室」 真梨 幸子

埼玉県所沢市を舞台にしたミステリー小説です。

あの辺りは土地勘があるですが、大東亜戦争後、米軍が駐留し、街は活気に溢れ、数多くの遊郭があったことを知り、驚きました。

所沢に近年増加したタワーマンションの最上階の部屋にまつわる殺人事件です。2人の小説家を中心に阿部定が所沢に住んでいたという都市伝説の謎が明かされていきます。

犯人はとても意外な人物でしたが、謎解きという観点からは、少しルール違反な犯人設定かなと感じました。

ただ、人間の嫉妬、恨み、性欲などを描くという観点から見れば、犯人の収まりも納得できるものでした。

個人的には、田中加代の半生や心の動きを深掘りしてもらいたかったと思いました。

最後まで一気に、気分悪く、読み終えることができるミステリー小説です。

2016年4月12日火曜日

903.「世界一ふざけた夢の叶え方」 ひすい こたろう、 菅野 一勢

2006年に飯田橋の居酒屋で3人の男がお酒を飲んでいました。

・赤面症の営業職サラリーマン
・「フロムA」を眺めるプータロー
・出版社に勤務するペーペー社員

彼らは、お金を持っていませんでしたが、夢だけはありました。そこで彼らは、ノートに夢を書き、お互いに「お前ならできる!」と励まし合いました。

そして、数年後。彼らは、
・赤面症サラリーマン⇒ベストセラー作家
・プータロー⇒100億円企業のオーナー
・ペーペー社員⇒ネット界の仕掛け人&フリーサーファー
になっていたのです。

本書は、その夢を叶えた方法を解き明かしています。
難しい方法ではないので、是非試してみたいですね。

2016年4月11日月曜日

902.「愛国ってなんだ 民族・郷土・戦争」 古谷 経衡、 奥田 愛基(対談者)

著者は自らを「保守」と位置づけていますが、この本を読む限り、そうは思えませんでした。

また、思想の根拠をアニメ、漫画、小説、映画といったフィクションに置くことが多く、それらのフィクションは事実に基づくものでなく、それぞれの著者の考え方を表すものであるため、納得感に欠けました。

奥田氏との対談では、自らの主張を貫き通すのではなく、奥田氏に歩み寄り、殆ど迎合しているように見えました。そのため、立派な意見は反論しない大衆への言い放しの挑発に過ぎず、反論する相手には意見を変えるのではないかという印象を受けました。

二人共、自衛隊があるのだから在日米軍は不要という趣旨のことを述べていますが、そうなると自衛隊も個別的自衛権も憲法9条違反ではないということを認めることになるのではないでしょうか。そして、なぜか韓国の脅威にしか言及していませんが、中国の脅威に対して米軍も集団的自衛権も不要となると、自衛隊の軍備を増強せざるを得ないことをどう考えるのでしょうか。

著者の奥田氏への憧れや嫉妬を読みながら、この本を読んでいる時間は有用だったのか思い悩みました。

2016年4月8日金曜日

901.「商品の詳細 新装版 世界一感動する会計の本です【簿記・経理入門】」山田 真哉

簿記の基礎を物語と課外授業で解説しています。

物語は、1500年の「たまごの国 エッグランド」。

ルカとレオンの2週間の商売を通じて、複式簿記の仕組みを学んでいきます。

初心者に分かりにくい、借方・貸方や仕訳などを独特の説明で理解しやすく解説しています。

これを最初に読めば、簿記アレルギーを起こさないのではないでしょうか。


2016年4月7日木曜日

900.「なぜ私は韓国に勝てたか 朴槿惠政権との500日戦争」 加藤達也

朴槿惠大統領への名誉毀損罪で起訴された産経新聞の加藤前ソウル支局長の手記です。

韓国は、近代国家を気取っていますが実際は中世国家。つくづくおかしな国だと感じます。

事件は、朝鮮日報を引用した加藤氏の日本語の記事を、非営利団体の「ニュースプロ」が勝手に韓国語に翻訳したばかりか、悪意の文章を捏造し公開しました。

この翻訳を読んだ右翼団体など3団体が朴槿惠大統領への名誉毀損で加藤氏を訴えました。

しかし、3団体とも起訴内容が似通っており、朴槿惠大統領自身が裁判を望まないとする意思を明確にしなかったことから、この悪意の翻訳に憤った朴槿惠大統領側が起こした裁判ではないかと感じます。

しかも、引用元である朝鮮日報は政府寄りの新聞社であるためか、起訴されていません。

こうして起訴すれば、加藤氏側が謝ってきて、それをまたいつものように大きく報道して、産経新聞を叩くつもりだったのでしょう。しかし、加藤氏は裁判に応じ、海外のメディアが騒ぎ出したため、引っ込みがつかなくなったいう、全くみっともない話です。

そして、有罪にすると近代国家でないことが明らかになってしまうので無罪としましたが、最後の最後に韓国外務省の「量刑参考資料」などというものをつけて、「本当は有罪だけど、韓国政府の温情で無罪にしてやる」といったようなところに落としてきました。

本当に韓国は法治国家ではなく、人治国家ですね。今回も立法とは別に、気に入らないことをマスコミが焚き付けて罪にしてしまう「国民情緒法」の犠牲になったようなものです。

外務省のホームページから「自由と民主主義、市場経済等の基本的価値を共有する」という文言が削除されたのも、もっともではないでしょうか。

2016年4月6日水曜日

899.「6月31日の同窓会」 真梨 幸子

これ怖いです。ホラーとミステリーが融合しています。怖いけど、読み始めると止められません。

6月31日に、相模湾を望むホテルニューヘブンで開かれる同窓会の招待状が届きます。その招待状を受け取った人は”お仕置き”を受けるという大正三年から続く女子校、蘭聖学園の伝説です。

さかのぼること15年前、学園祭でその伝説をモチーフにした劇を講演した89期生。その劇を行ったクラスメイトに6月31日の招待状が届きます。

そして、劇中で死んだ役の順番に、実際に不審死していきます。その不審死を弁護士・松川凛子が追っていくのですか・・・


なんとなくタイトルを読み流してしまいましたが、6月31日って太陽暦にはないんですよね。歴史ある学校の伝統に絡んだ殺人事件です。

ドラマ化、映画化したら面白いと思いました。



2016年4月5日火曜日

898.「人生相談。」 真梨 幸子

とても面白い設定のミステリー小説です。

新聞の「よろず相談室」という人生相談コーナーに寄せられた人生相談が殺人事件に密接に絡んでいます。

最初に相談内容があり、事件の顛末の後に、その回答があります。回答はごく普通のアドバイスなのですが、事件の内容を知った後で読むと、非常に皮肉的です。

短編集かと思い読み進めると、登場人物がかぶってきて、徐々に前の話の鍵だった部分に触れてきます。読み終えると、長編小説だったことに気付きます。

非常によくできて、「なるほどな」と思わせるミステリー小説です。

2016年4月4日月曜日

897.「速さは全てを解決する---『ゼロ秒思考』の仕事術」 赤羽 雄二

メモ書きについては、著者の「ゼロ秒思考」と重複しているので、それ以外で気に入った点を書きます。

まずは、日々の情報収集についてです。朝と夜に30分ずつ、情報を集めることを薦めています。その方法は、Googleアラートにキーワード登録して、配信された記事を読むことです。ブラウザはChromeを使い、表示件数を100件にし、結果は新しいウィンドウで開くように設定するとのことです。かなり実践的ですね。

もう一つは、英語学習法についてです。聴く力は、毎日30~60分リスニングをします。通勤電車が最適とのことです。教材は、「アリー・マイ・ラブ」がベスト。ビジネス会話と日常会話が同時に学べます。

読む力は、小説など好きな分野の本を読むか、Googleアラートで英文記事を毎日5,6本読むことです。

話す力は、海外出張の際に話したいと思う短文を数百個準備し、何度も読み上げておくことです。

書く力は、ネイティブからきたメールの文章で使えそうなものを状況別に数百個整理しておき、つぎはぎだらけで何とか文章にするとのことです。

仕事を速く進めるために、実用的な方法が書かれています。


2016年4月1日金曜日

898.「37の病院・医師をまわり 僕はがんを治した」 福島 正伸

著者のガンからの生還記です。

ガンの治療法は、一般には、手術が、抗癌剤か、放射線療法ですが、著者の場合、手術以外に治療法がないと言われました。

声帯のガンのため、手術すると話せなくなり、講演を生業とする著者は世の中に貢献する術を失ってしまいます。

そこで著者は、様々な医師を訪ねて、手術をしないで治す方法を探します。どこに言っても無理だと言われるのですが、どの医師も言うことが違っています。そこで著者は、日本中の医師、それでもいなければ、世界中の医師で、たった1人でも手術しないで治せるという人を見つければいいのだと、次々に医師巡りをします。

そして、37人目に出会った医師に手術しなくても治せると言われ、鹿児島県の指宿で陽子線治療を受けたのでした。そして、著者のガンは消え、ガンから生還したのでした。

ガンからの生還後、著者にとって、すべてが「ありがたいこと」に変わったそうです。著者の過去の著作を読むと、ガン以前でも、すべてが「ありがたいこと」という趣旨のことを言っていますが、頭で考えたこの思想と、実際に死の淵から期間した実感とは、同じ内容でも意味の深さが違うのでしょう。

896.「起終点駅(ターミナル) 」 桜木 紫乃

映画の原作本です。すべて北海道をテーマにした短編集です。

主人公達は一人も幸せではありません。過去に罪を犯したり、愛する人と離別したりして、心に穴が空いています。そうしたなかでも、日々淡々と生活し、罪を贖いながら生きています。

そうした生活を長く続けることで、辛かったことも、他人の陰口も、やがて薄れていきます。

自分自身も長生きした場合、家族と離れ、年金を頼りに生きていくのかもしれない。テレビを唯一の友達として、独居死する、それは多くの人がたどる道なのかなあと考えたのでした。