2016年12月27日火曜日

1071.「なぜジョブズは、黒いタートルネックしか着なかったのか? 〜真の幸せを生きるためのマイルール28〜」 ひすいこたろう、 滝本 洋平

スティーブ・ジョブズは晩年黒いタートルネックしか着なかったのですが、それが彼のマイルールでした。

その理由は本書に譲るとして、28人のマイルールを紹介して、最後に自分自身のマイルールを作りましょうという本です。

私はその中でも、星野リゾートの星野社長のマイルールに共感しました。それは、本屋では「ポツンと1冊だけ書棚に入っているような目立たない本に注目すること」です。

自社の抱える課題を意識してして本屋を巡り教科書になる本を探します。派手に平積みされている本ではなく、1冊だけあるような本は、流行の波を乗り越えて体系化された理論として生き残っているからだそうです。

私もいくつかのマイルールがありますが、一度整理してみようと思いました。

2016年12月26日月曜日

1070.「私の脳で起こったこと レビー小体型認知症からの復活」 樋口 直美

認知症患者といってもアルツハイマーだけでなく、レビー小体型など様々な種類があり、種類ごとに症状が異なることを知りました。

そして、認知症患者にどんなことが起こるのか、日々どのようなことを思い生きているのか、その日常が非常によく分かります。

絶望に沈む日もあれば、希望を見出す日もあり、揺れる感情が生々しいです。

若い頃は難病にかかる人が少ないため、話を聞いても他人の不幸でしかありません。しかし、皆、歳を取るにつれ、何らかの病に侵されるようになり、自分の不幸として体感していきます。

それは、長生きすることの宿命ともいえ、その病を受け入れ、共存するようになることが心の安定となるのでしょうか。

2016年12月22日木曜日

1069.「津軽百年食堂」 森沢 明夫

青森県には、県が定めた「百年食堂」があるそうです。「百年食堂」とは、三世代、70年以上続いている大衆食堂をいいます。

弘前の百年食堂「大森食堂」の四代目にあたる陽一の仕事、故郷、恋愛が詰まった物語です。

話は、「大森食堂」を開いた賢治から始まります。生まれつき右足の指がない賢治が、足の障害に苦しみながらも、障害に立ち向かい、受け入れることで優しい人間となり、伴侶を得て創業します。

陽一は、「大森食堂」を次ぐこと父に告げましたが、父は他所で修行することを条件とします。陽一は、東京の中華料理店で働き始めますが料理長に逆らいクビになり、その後は目標を見失い鬱々とした日々を送っています。

そんなとき、偶然、同郷の七海と出会い、付き合うことになります。七海の生き方などに触れていくうちに、仕事に対する考え方も変わっていき・・・

ほのぼのとした、美しい物語です。

2016年12月21日水曜日

1068.「ビル・ゲイツとやり合うために仕方なく英語を練習しました。 成毛式「割り切り&手抜き」勉強法」 成毛 眞

著者は、「日本人の9割に英語はいらない」という著作があるように、基本的に英語を深く学習することには賛成していません。

しかし、ツールとして英語をマスターすれば便利であることは間違いないので、最小の努力で仕事に使える英語を身につけましょうという主張です。

そのために、英語のプレゼンーションに立候補して英語を使わざるを得ない状況に自ら追い込んだり、「ロンリープラネット」を手に、日本の観光地を回ったり、海外旅行に行って英語の通じ具合をチェックしたりしましょうと、ユニークな提案をしています。

そして、そのための具体的な学習方法も参考になります。

英語をツールと割り切り、どんどん使っていこうという話に、とても同意できました。


2016年12月20日火曜日

1067.「きらきら眼鏡」 森沢 明夫

ゆったりとした小説でよく書き込まれています。250ページくらいからテンポアップしていきます。

読みながら立ち止まり、登場人物の気持ちを考えてしまいます。

登場人物では、サブキャラクターの弥生に心惹かれます。明海に想いを伝えようとする健気さに心打たれます。

猫、本、コカ・コーラ、眼鏡など小物の使い方が上手いです。

恋愛だけでなく、子供時代からの父親との葛藤、名前にまつわるイジメのトラウマ、死に対する暗い欲望など、本当に上手く書かれている小説です。

2016年12月19日月曜日

1066.「「カエルの楽園」が地獄と化す日」 百田尚樹、 石平

読むと憂鬱になる警告の書です。「カエルの楽園」を読んだ石平さんと、著者の百田さんが出版後の中国情勢を語っています。

中国は、さすがに尖閣に上陸しないだろうと思っているうちに、竹島の二の舞いになる。

中国は、沖縄を占領しないだろうと思っているうちに、北方領土の二の舞いになる。

中国は、悪くない、日本が刺激したからだ、米軍は出て行け、憲法9条を守れと叫んでいるうちに、チベット・ウイグルの二の舞いになる。

そんな悪夢が現実化しそうです。

日本を危機に陥れるのは、マスコミ、反日日本人、左翼政党といった日本人自身です。

「中国人は良い人たちで、日本侵略なんて酷いことはしない」と思っていますが、虐殺の歴史を持ち、国内で生存できなくなっても、良い人たちでいられるのでしょうか。

中国の周辺国で、侵略した時に最も利益が得られ、かつ反撃の手段を封じられている国は、日本です。国防についてもっと深刻に考えるべきと思いました。

2016年12月16日金曜日

1065.「知の進化論 百科全書・グーグル・人工知能」 野口悠紀雄

知識について、古代から、聖書⇒百科事典⇒インターネットと秘匿から公開への歴史を紐解いています。

その中で、知識を秘匿することで権力を握っていた社会から、知識を公開することで利益を得るようになった社会の変遷を解説しています。

つまり、知識の習得の歴史と、知識を在に変える方法の考察です。

著者の博識さや情報収集能力に、いつもながら舌を巻きます。

実用書というより、知識の歴史という観点の読み物として面白いものでした。


2016年12月15日木曜日

1064.「水鏡推理4 アノマリー」松岡 圭祐

15歳の4人の非行少女達。それぞれが家庭に問題を抱え、悪い仲間とつるみ、覚醒剤にまで手を出して女子少年院に収監されています。

彼女達の更生教育の一環として始められた登山でしたが、SNSで注目を浴び、一躍人気者となります。

ところが、八甲田山を登山しているときに天候が急変し遭難してしまいます。登山前に撮影した写真には、水鏡の同僚の文部省官僚が写っていました。

彼がこの遭難に関与しているのか。そして、それを超えると生存可能性が急落してしまう78時間以内に少女達を救出することができるでしょうか。

今回は、気象予報をテーマにした陰謀を描きます。
気象予報に関わる細かく大量の情報を駆使して、創り上げられたストーリーに感嘆しました。


2016年12月14日水曜日

1063.「LIFE SHIFT」 リンダ グラットン、 アンドリュー スコット

驚くべき予言の書です。良い本だろうとは思っていましたが、予想以上に役立つ本でした。

主な内容は、人間の寿命が100歳まで伸びることで、これまでの生き方、人生設計が大きく変わるということです。

内容の全てに納得できました。これまでの私達の生き方を的確に言い当て、将来の予測もかなり当たる確率が高いと感じました。

「60歳に近づいたから、もう新しい知識を学ぶことは難しいし、その必要もない」という考え方は、過去の概念となります。
100歳寿命の世界では、60歳過ぎても引退することは難しいし、生きるために学び続ける必要があります。

これまでは、60歳までで、人生の勝ち負けが決まっていましたが、これからはその先で20年以上続く第二ラウンドが始まると思いました。

2016年12月13日火曜日

1062.「お金に強くなる生き方」 佐藤 優

著者が提案しているのは、「今の社会や企業の仕組みの中で、無理をしないで上手に稼ぎ、生き抜くということ」です。

国税庁の調査によると、日本国民の平均年収は414万円であり、中央値は300万円台だそうです。

過去の印象から、もっと高いイメージがありますが、実際は400万円位。年収500万円以上を稼ぐとなると厳しい勤務を覚悟しなければならなくなります。

そこで、自分の現状を過小評価して自信を失ったりせずに、他にやりがいや生きがいを見つけ、上手く副業で小遣いを稼ぎながら、上手にズル生き残ろうということです。

非常に現実的で、実践的な提案だと感じました。

その中で、自己投資、特に健康に惜しみなくお金を使うというのは、メリハリの効いた効率的なお金の使い方だと思いました。

2016年12月12日月曜日

1061.「政府はもう嘘をつけない」 堤 未果

「広告代理店に課せられた役割は、<プロパガンダ>という正式名称で呼ばれていました。今は、<マーケティング>と名前を変えています。」
ノーム・チョムスキー博士 MIT

本書のこの言葉は結構衝撃的でありながらも、そう言われればその通りだと思いました。

本質は「グローバリズム」であり、国のお金を使う公共事業をグローバル企業に売るために、広告代理店が短いフレーズで国民を洗脳しようとします。

郵政民営化が「参議院」で否決されたのに、なぜか可決した「衆議院」を解散して、民営化に反対する国会議員に「抵抗勢力」とレッテルを貼り、B層と名付けた国民を洗脳して、選挙に大勝したのがその例です。

マスコミや検索エンジンの情報は今や意図的に操作されているようです。自分でじっくり考える態度が重要だと思います。

2016年12月9日金曜日

1060.「すみなれたからだで」 窪美澄

著者の文章は短文で無駄な単語がないにもかかわらず、情景をありありと浮かび上がらせる素晴らしいものです。

前作はSFっぽい作品でしたが、本作はまた現代の日常生活の中で、大きな事件は起きないものの人々の切実な悩みを描いています。

後を引くような衝撃はないものの、肌感覚で人間の感情を非常に現実的に表現する、著者らしい作品です。

2016年12月8日木曜日

1059.「ルポ ニッポン絶望工場」 出井 康博

このタイトルだと、ブラック工場の実体のルポルタージュだと思いますが、本書はそういった内容ではありません。外国人実習生や偽装留学生の低賃金をルポルタージュしたものです。

高収入を期待して日本にやってきた実習生が実際は低収入しか得られず、日本で苦しい生活を送り犯罪を犯したり、帰国して反日になるという内容です。

その原因は日本政府の「留学生30万人計画」にあるとしています。

30万人という高い目標を達成するために入国の基準を低くしたため、偽装留学生が増えてしまったので、入口をもっと狭くすべきと言います。その一方で日本で働く外国人が減っているのは問題だとも言っており、矛盾しています。

最近ではベトナムからの偽装留学生が増えていると言います。しかし、ベトナムが貧しいのはベトナムの国策の問題ですし、ブローカーに騙されて日本で底辺の仕事についたのはブローカーの問題です。日本政府の政策でそうなったわけではありません。

初めから、著者の頭のなかには、「留学生30万人計画」が諸悪の根源という図式があり、その結論に向けて証拠が集められたような印象があります。

日本人がやりたがらない仕事は移民で賄うのではなく、まずは、待遇を改善して日本人が働きたくなる仕事にし、完全雇用を目指し、それでも人手不足の場合は、移民でなく、難民の方にやってもらえば、お互いに良い状態になるのではないでしょうか。



2016年12月7日水曜日

1058.「人生の勝負は、朝で決まる。: 「結果を出す人」が続けている52の朝の習慣」 千田 琢哉

私は割と早起きなので、本書に書かれている早起きの効用は初めて知るものではなく、確認するようなことが多かったです。

その中でも、これは知らなかったというのは、「朝イチの新幹線は自由席が一番贅沢だ」ということです。一人で三席分を使うことができるくらい空いていることもあるそうです。かえって指定席やグリーン車の方が混んでいるそうなので、次回試してみたいです。

経営者達は、朝日を浴びながらストレッチするという共通の習慣があることも面白かったです。私も朝、マクドナルドでストレッチをしているので(!?)、変わった趣味ではなく、効果的な習慣だと確信しました。

2016年12月6日火曜日

1057.「暴走する中国が世界を終わらせる オンナ・カネ・権力への妄執の果て」 宮崎 正弘, 福島 香織

暴走しているのは中国というより、習近平のようです。

習近平は党内の権力抗争に明け暮れ、経済や人民の生活には興味がないようです。

その結果、不採算企業を潰さずゾンビ企業となってしまい、ゾンビ企業があふれるゾンビ国家となりつつあります。

習近平は国内不満をそらし、権力を掌握するために、尖閣諸島か南シナ海で戦争に打って出る危険性が高まったという見解は正しいと思います。

戦争の起こしやすさとしては尖閣諸島の方だと思いますので、十分な備えが必要です。

2016年12月5日月曜日

1056.「人種戦争――レイス・ウォー――太平洋戦争 もう一つの真実」 ジェラルド・ホーン、 加瀬 英明

白人側から見た大東亜戦争です。

「白人の優位」の世界が有色人種の日本人によって崩されていく恐怖。

特に中国、東南アジア、オーストラリアといった英国の占領国が日本に奪われていき、白人と有色人種の地位がひっくり返されます。白人は奴隷のように扱われ、そのプライドは地に落ち、人格が破壊され、日本人に服従していきます。

その姿を見た他の有色人種は、それまでの有色人種は劣等民族で白人に支配されるのが当然という固定概念から解放されていきます。

大東亜戦争では、中国国民党との戦闘は別ですが、それ以外の国では現地人と戦ったのではなく、現地を占領していた英国人と戦ったのです。これまで信じていた日本対中国の対立構造が、有色人種対白人の構造に書き換えられました。

日本が第一次世界大戦のパリ講和会議で人種差別を撤廃することを国際連合規約に盛り込むことを提案したときに、強く反対したのはアメリカ、大英帝国、オーストラリアの人種差別国です。

日本が有色人種の解放のために欧米と戦ったというのは、建前だと思いますが、結果として有色人種の白人コンプレックスを払拭し、白人に抵抗する勇気を与え、現在の独立国を築くキッカケとなったことは間違いないと思います。

2016年12月2日金曜日

1055.「誰と会っても会話に困らない 雑談力サクッとノート」 櫻井 弘

様々な状況で、一般的な会話と話が弾む会話が対比して書かれており、とても分かりやすいです。

例えば、「できないですね」と言わず、「解決策を考えましょう」と言えば、相手は受け入れられた気になります。

「そうなんですね」とは言わず、「すごく勉強になりました。」と言えば、相手は自分の発言に重要感を持ちます。

初めて会う人にうまく話しかける言葉など、実用的な会話が満載されており、とても役に立ちそです。

2016年12月1日木曜日

1054.「とことん調べる人だけが夢を実現できる」 方喰正彰

漠然と夢見るだけでは、なかなか実現しません。

そこで、その夢を叶える方法や叶えた人を調べまくるというのは、非常に有効な方法だと感じました。

調べてみると、難しいと思い込んでいたことが案外簡単だったり、夢を叶える意外な方法が分かったりして、夢の実現が近づきます。

その反面で、失敗した話や否定的な意見もあります。
そういう話も参考にしながら、けれども、それに囚われず、うまく行ったやり方に注目するのがよいのかもしれません。