2017年12月28日木曜日

1160.「徹底検証「森友・加計事件」――朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」 小川榮太郎

この本の内容により、著者が朝日新聞社から訴えられた、話題の本です。

森友事件は、思い込み激しい夫婦が起こした詐欺事件のようです。
加計事件は、既得権益を守りたい獣医学会と行政権限を誇示したい文科省の新規参入妨害に見えます。

朝日新聞社がそれを無関係だった安倍晋三夫妻があたかも首相の権原を使って、行政を捻じ曲げたかのような印象操作で、国民を政権不信へと誘導したとの論調です。

国民は、まんまと朝日新聞に乗せられ「あれだけマスコミが報道しているのだから、何か不正があったに違いない」と、安倍首相に対して疑心暗鬼になりましたが、結局、何も出てきませんでした。

朝日新聞の手法は、自分に都合が悪い事実は報道せず、使えると思った資料を黒塗りなど加工し捏造する、非常にたちが悪いものと感じました。

その結果、北朝鮮がミサイルを発射するという危険な時期に国会が空転し、日本の防衛体制強化が送れてしまいました。この報道犯罪は非常に罪深いと思いました。



2017年12月26日火曜日

1159.「マルドゥック・ヴェロシティ3」 冲方 丁

凄惨な最終巻です。
敵のカトル・カールを殲滅する一方、ボイルドの所属する09のメンバーも一人、また一人と命を落としていきます。

そして、ボイルド達が最も信頼していた人物が、実は最大の裏切り者で、この殺戮の原因を創っていたとわかり・・・

壮大な謎が最後に解き明かされていくのですが、1巻で提示された謎であるため、正直、詳細については殆ど忘れていました。しかし、複雑な伏線を回収していく構想力は驚くばかりです。

アクション小説として秀逸ですが、ミステリー小説としても一品です。2つの側面が混合して複雑にして重厚な長編となっています。

マルドゥックスクランブルの前の話ですが、ラストシーンはマルドゥックスクランブルを読んでいないと理解が薄くなるかもしれません。


2017年12月25日月曜日

1158.「消えない月」 畑野智美

ストーカーの被害者側と加害者側から描かれた犯罪小説。

松原は、一見普通のイケメン。さくらは松原と交際を始めるが、松原は独占欲が強く、さくらが自分の言うことに疑問を持つと起こり始める。怖くなったさくらは、「別れたい」とLineするのだが・・・

松原はマザコンで、亡くなった父親へのコンプレックスをいただいています。相手の言動は自分の都合のよいようにしか解釈しません。

さくらは、優しくて気が弱く、嫌と言えない性格です。そのため、以前にも老人にストーカーされたという過去があります。その性格がストーカーを引き付けてしまうようです。

松原から逃げても逃げても追われ続ける状況が不気味です。警察の不親切な対応とさくらの自分さえ我慢すればという意識がストーカー行為を悪化させてしまいます。

ストーカー事件はこうして起きるのかと実感できる小説です。

2017年12月21日木曜日

1157.「幸福の「資本」論――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」」 橘 玲

終身雇用といった日本的経営のために、中国・韓国企業の後塵を拝することとなったという見方には同意できませんでした。

経済の見方には同意できないものの、個人のキャリア形成については勉強になる点が多かったです。

仕事を、マックジョブとクリエイティブクラスに分け、さらにクリエイティブクラスをスペシャリストとクリエイターに分けています。

マックジョブは責任がないものの賃金が低く、クリエイティブクラスは責任を負うが打った分だけ賃金が高くなります。

スペシャリストは出来高払いなので収入は高くなるが拡張性がないので富や名声は期待できません。

クリエイターは拡張が高いため当たれば富と名声を得られますが、あまり当たりません。

非常に正確な分析です。私はスペシャリストにあたる仕事をしているので、本書に書かれた「収益の最大化」と「自己実現」を両立できる基本戦略を採用したいと思いました。

2017年12月18日月曜日

1156.「コミンテルンの謀略と日本の敗戦」 江崎 道朗

非常に読み応えがあり、子どもの頃に教わった第二次世界大戦の概念を変える内容でした。

子どもの頃に教わった概念は、
「軍部の右翼勢力が中国侵略を目的に満州事変を起こし、右翼全体主義者が大政翼賛制を敷き、石油の確保のために南進政策を取った」というものです。

本書が主張しているのは、
「日本軍は満州の日本権益を守るために応戦し、左翼全体主義者が昭和研究会を通じて近衛首相を洗脳して大政翼賛制を敷かせ、ソ連との戦闘を回避するため南進政策へと誘導した」というものです。

大東亜戦争の影には共産革命を目論むコミンテルンの謀略があり、その実行のために尾崎秀実と笠信太郎といった隠れ左翼達が昭和研究会で近衛首相を、朝日新聞で国民を英米への戦争へ煽っていったという骨子です。

大東亜戦争については、これから更に文献が公開され、明らかになっていくと思います。

2017年12月14日木曜日

1155.「2030年ジャック・アタリの未来予測 ―不確実な世の中をサバイブせよ!」 ジャック・アタリ

様々な国、そして世界の2030年に向けた政治、経済、紛争などのシミュレーションです。

生活水準の向上、平均寿命の伸び、極貧の減少など世界はここ数十年で順調に進んでいるように見えます。

しかし、その影では、世界人口の高齢化、最貧国の人口爆発、環境悪化、貧富差の拡大など、破綻に向けて一歩ずつ歩を進めているとの指摘です。

著者はその破綻を回避するためには、自分より相手を大切にする「利他主義」が鍵となると主張しています。

経済状況も、宗教も、政治も異なる国々の人々が、利他主義の精神を持つことはとても難しいと思いますが、尊いことだと思います。

2017年12月13日水曜日

1154.「難しいことはわかりませんが、英語が話せる方法を教えてください!」 スティーブ ソレイシィ

まず、TOEIC Listening & Reading Testの勉強はする必要がないそうです。

これは試験名通り、リスニングとリーディングのテストなのでいくら勉強しても話せるようにならないからです。

問題もクイズのようなので実際の会話とは少し離れているそうです。

そこでどうするのか。

まずは、オンライン英会話を活用します。月5,000円位の安い料金で、毎日英会話することができるからです。

次に、スピーキングテストを受けます。自分の会話レベルが明確に分かるからです。

この2つをやることで英語が話せるようになるとのことです。

この方法を補強する方法として、ヒアリングについては、アマゾンプライムに入会して海外ドラマを見まくって耳を鍛えます。月400円の会費で海外ドラマをいくつでも見ることができます。

スピーキングについては、よく聞かれる内容は事前に回答を作っておいて、それを繰り返し話します。事前に回答があれば、その場で悩まずに話せます。

英語を話せるようになる非常に実用的な方法だと思います。

2017年12月12日火曜日

1153.「ありがとうの魔法」 小林 正観

次の言葉は、心に沁みた言葉の一部です。

「『いかに喜ばれるか』を考えれば、まわりの人々、全員がうまくいく」
いかに売上を上げるかをどうしても考えがちですが、「いかに自分が喜ばれる存在になるかを考えるほうがいい」という話はその通りだと思いました。

「売上を上げる方法」をいくら考えてもその通りになかなかならないし、焦るものです。それを「喜ばれる存在になる方法」を考えることは自分にとってもワクワクすることですし、そうなることで売上が上がればなおいいです。

「今日の『私の判断』は、人生で最高峰、最ベテラン、最年長。だから、後悔しなくていい。」
どうしても、「あの時ああすれば良かった」と繰り返し後悔してしまいます。それは、決断を下した時点を切り取って見れば、後悔しているにとって最も若い自分だから。

しかし、過去から見れば最ベテランの自分が下した判断だったはずです。その時点では最高の判断だったと考えれば納得できます。

読むと心が楽になる本です。

2017年12月11日月曜日

1152.「斎藤一人 品をあげる人がやっていること」斎藤一人、 高津りえ

斎藤一人さんの話は全体の4分の1くらいです。あとの4分の3は高津さんの話。

タイトルから斎藤一人さんが考える品をあげる人の習慣を期待していましたが、期待はずれでした。

実際は、高津さんのスピリチュアルの話が殆どで、共感できる人にはいいのだろうなと思いました。

斎藤一人さんの部分は、よい話でした。この話をもっと詳しく読みたかったです。

お弟子さんの本を売るために、斎藤一人さんの名前を大きく使うのは誤認を生ずると思います。出版社は本当の著者の名前で売る真摯な努力が必要ではないでしょうか。

2017年12月8日金曜日

1151.「怖い絵」 中野 京子

いよいよ今週末の12月9日に話題の「怖い絵展」を見に行きます。平日70分待ち、休日3時間半待ちなので、見れるかどうか少し心配です。

ということで、種本3部作の中の2冊めを読みました。
これも面白かったです。

特に気になったのは、ドガの「エトワール、または舞台の踊り子」。
とても有名な絵なので、どこかで見たことがあると思います。
舞台の上で光を浴びて踊る可愛らしい踊り子。

しかし、舞台左奥の黒いスーツの男に気付いたでしょうか。
なぜ華やかな舞台に無粋な男が?
その理由は、踊り子は実は・・・

紹介されている作品は22点。一見すると美しい絵画が暗示する、その裏側にある闇の部分を解き明かし、作品の理解を深めるとともに、人間の業の深さに気付かせてくれます。

2017年12月7日木曜日

1150.「半百の白刃(上) 虎徹と鬼姫」長辻 象平

近藤勇の「今宵の虎徹は血に餓えている」というセリフで有名な名刀「虎徹」

その「虎徹」の刀工である長曽禰興里(ながそねおきさと)の半生を綴った歴史小説です。

興里は元々甲冑師でしたが、甲試しの結果、相手の刀工が自害してしまいます。責任を感じた興里は甲冑師を辞め、50歳にして江戸へ上り、自己流で刀鍛冶を始めます。

興里の刀は丈夫でよく切れるのですが、実用性に特化した無骨な刀身ゆえに全く売れません。
しかし、旗本の娘の邦香が興里の刀の真価を見抜いたことがら興里の運命が変わり始めます。

50歳から新しいことを始めても一流になることができるという希望を与えてくれるお話です。

2017年12月6日水曜日

1149.「儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇」ケント・ギルバート

中国人、韓国人のメンタリティと儒教の関連性は、触れられてはいますが詳しくは説明されていません。

大まかに言うと、儒教の悪い部分だけ残したため、自己中心主義になってしまったということでしょうか。中国人、韓国人の気質を知る入門書に適しています。

南京大虐殺や従軍慰安婦の嘘についても、基本的な説明をしてくれます。

また、中国共産の沖縄侵略の野心や、韓国人の日本妬みという基本構図もうまく説明されていて分かりやすいです。

2017年12月5日火曜日

1148.「京都花街の芸舞妓は知っている 掴むひと 逃すひと」 竹由 喜美子

京都の芸者さんが見てきた成功した人に共通する習慣です。

こういった種類の本は沢山あり、柳の下のどじょう的な感はありますが、ためになり真似したい習慣もありました。


例えば、

おみやげは、「高級な消えもの」を百貨店で買う。
カラオケはプレゼンの場。エグザエルは歌わない。
お酌は「最初の一杯だけ。後はセルフでいきましょう。」
いつ何時も「自分の言葉で語れるように準備しておく。」
(詳細と理由に興味ある方は本書でご確認ください。)

これらは、取り入れていきたいです。


2017年12月4日月曜日

1147.「崩れる脳を抱きしめて」 知念 実希人

話の流れとして不自然な部分が多いですが、あまり気にせず読めました。

終末医療の病院が舞台となる一風変わった小説です。

1章は単なるツンデレのラブストーリーですが、2章からミステリーに転じるという凝った形式です。

話も二転三転する、とても手の込んだ作りで、伏線もうまく配置されてきれいに回収されていきます。

「限られた寿命の女性を愛していけるのか」もテーマとしています。最後にホッとする読後感のよい小説です。

2017年12月1日金曜日

1146.「こうやって、考える。」 外山 滋比古

日々、考えるための手軽で実用的な方法論です。

例えば、「”ことわざ”を作る」、「感想を書く」、「新しいことばを覚える」など。

日頃意識してやっていないけど、注意して習慣にすればそれだけで物事を考えることができます。

実行したいアイデアがいっぱいです。

2017年11月30日木曜日

1145.「マルドゥック・ヴェロシティ2 」 冲方 丁

2巻目ですが間延びせずスリリングさが継続しています。

謎が少しづつ解き明かされていくに従い、マルドゥック市の腐敗の深さも明るみに出てきます。

敵役のカトル・カールのメンバーの異形さ、異常さも際立っており、戦闘シーンも独特の文体でスピード感をもって描かれています。

性交渉するとウイルスで相手を殺してしまうナタリアと、主人公ディムとの恋愛感情も複雑です。

飽きさせずに読ませ、最終巻への期待が高まります。

2017年11月29日水曜日

1144.「堀江貴文 人生を変える言葉」 堀江 貴文

ホリエモンの過去の書籍から抜粋したホリエモン名言集です。

特にホリエモンに心酔しているわけでも、ホリエモンのようになりたいと思っているわけでもありませんが、良いことを言っているなと思います。

すべてが信じられるわけではないですが、参考にできる言葉が沢山あります。

例えば、「ブログ執筆は問題の消化作業」、「情報は、ただ浴びればいい」などは、その通りだなと納得しました。

何かしら、自分の生き方のヒントになる本です。

2017年11月27日月曜日

1143.「新版 国民のための日本建国史 神武東征から邪馬台国「謎」の時代を解き明かす」 長浜浩明

私は近現代史には興味がありますが、古代史には全く興味がありませんでした。その時代の話は、古事記や日本書紀の解読が主なのであまり面白くないのです。

そんなことで、本書を読むのも気乗りしなかったのですが、読み始めたら結構面白い。もちろん、記紀についての解読もありますが、それだけではなくDNA鑑定や発掘なども絡めて解説しているので、真偽のほどがわからない記紀が裏付けされていきます。

特に面白かったのは、日本人と朝鮮人、中国人は全く別の人種であるということ。これまでは弥生時代に朝鮮半島から人が流入し混血して増殖したため日本人の祖先は朝鮮人だという説もありました。

ところが本書では、DNA鑑定により日本人は、朝鮮人、中国人とは染色体が全く異なるため、別の人種であると立証されました。さらに、言語学からも日本語と朝鮮語、中国語は全く別の言語体系であるため、同一人種であることはないと裏付けられました。

日本人は独自の人種で独自の文化を育み、天皇を先祖に持つ類まれな民族であることが分かりました。

2017年11月24日金曜日

1142.「柔軟心をつかう習慣―思い込みにさようなら」 植西 聰

禅では、柔軟心と書いて「にゅうなんしん」と読むそうです。

そのためには、人の意見を聞く、街へ出る、異分野の人と交流する、新しいことにチャレンジするなど、様々なアイデアが紹介されていあす。

あまり目新しい内容はないのですが、うまくまとまっています。

2017年11月22日水曜日

1141.「満月の泥枕」 道尾 秀介


主人公の二美男はどうしようもない男で、読み始めは話に入っていけるかなと疑問でした。読み進めて過去が分かっていくと、どうしてどうしようもなくなってしまったのかが明らかになり、何だか理解できてきました。

アパートの住民から結構好かれている様子から根がいい人間であることが伺われます。

ある不幸な出来事をキッカケに、自分に罰を与えて落ちぶれていった二美男は、義母に疎ましがられた兄の娘と一緒に暮らしています。

二人を中心とした荒唐無稽なドタバタ劇が演じられます。

子どもがいることは当然で、時に疎ましく感じる親たち。しかし、子どもを突然失ったときにそのかけがえなさに気づき後悔するものの、もう元には戻れない。

子どもを育てることは、実は親を幸せにすることだと気づかせてくれました。

2017年11月21日火曜日

1140.「くたばれパヨク」 千葉麗子

左翼に対して抱いていた疑問について、明確に言語化してくれました。

「自分の生まれ育った国の悪いところばかり見ていて、幸せになれるのでしょうか?」

「新しいことだけが格好良いという幻想の行き着く先にあるのは何でしょうか?」

正にその通りだと思います。この2つの質問に対する答えが提示されていないように感じます。

芸能界やマスコミへの左翼の浸透は深く強いようです。そして、在日ネットワークも。今年の紅白歌合戦に日本デビューわずか半年の韓国女性グループが出場するのも関係あるのでしょうか。

教育現場への左翼の浸透にも驚かされました。「学童保育」という呼び名が共産党用語だそうです。学童の指導員にも左翼が入り込んでいて、子どもたちを教育しているのだといしたら、非常に恐ろしいことです。

2017年11月20日月曜日

映画「百瀬、こっちを向いて。」 早見あかり

原作と大筋で似ていますが、相沢が小説家になったこと、百瀬の家が貧しいこと、ラストシーンなどが異なり、似て非なるものになっています。

相沢が主人公ながら、早見あかりの可愛さを描くために百瀬のキャラクターの小悪魔的なところが強調されています。そのために、ストーリー自体の魅力が失われてしまっています。

小説では爽やかだった「百瀬、こっちを向いて。」というセリフが、映画では相沢の泣き言になってしまい、気持ちが悪いです。

ラストもモヤモヤして終わりました。

1139.「百瀬、こっちを向いて。 」 中田 永一

映画の原作になった短編小説です。

「百瀬、こっちを向いて。」は、70ページの短い話。よく映画にできたと感心しました。

短編小説ですが、エピソードが簡潔に過不足なく書かれており、話に充分な厚みがあります。

映画独自の百瀬が貧困な設定がないので、女子高校生らしい素直さがよく出ています。

小説の中心は相沢で、百瀬、宮﨑、徹子により相沢の成長が浮き彫りになっています。

ラストの「百瀬、こっちを向いて。」のセリフと、百瀬の反応が可愛らしく爽やかな読後感があります。

2017年11月16日木曜日

1138.「超ノート術 成果を10倍にするメモの書き方」 佐藤ねじ

ノートを1軍と2軍に分け、日頃気付いたことは2軍ノートに記載し、たまって来たら1軍ノートにまとめるという方法は、有益だと思います。

私はA4の裏紙にメモ書きしてクリアファイルに入れ、貯まった来たらA4ノートにまとめています。「0秒思考」をベースにしていますが、考え方は、この本のやり方に似ています。

著者は、1軍ノートを8分割してまとめています。考えを深める時は、マインドマップとマンダラチャートを組合せたマインダラというやり方をしているそうです。

アイデアのまとめ方として、自分のやり方の有効性に自信が持てました。

ただ、先日、著者の講演を聞きましたが、現在は、iPad proを使っていて、ノートは使っていないそうです・・・

2017年11月13日月曜日

1137.「マルドゥック・ヴェロシティ1」 冲方 丁

マルドゥック・スクランブルの続編にして、それ以前を描いた作品です。

マルドゥック・スクランブルで主人公のバロットと死闘を演じた敵役のボイルドが誕生するまでの話です。

一作目の敵役が主人公なので、あまり感情移入もできない出がらしの話かと思っていましたが、予想外に面白いです。

戦争で半死半生の重症を負った兵士に最新鋭の科学技術を投入して特殊技能を持つ肉体に改造された戦士たち。戦争が終わったために用無しと見做され殲滅が命じられましたが返り討ちにします。

戦争という仕事がなくなった彼らは、マルドゥック市において証人を保護するという任務につきますが、次々と異常な殺人が起こり・・・

ボイルドは肉体改造を受け眠らない鋼鉄の男となりますが、覚醒剤中毒の後遺症でフラッシュバックを繰り返します。そして、数々の殺戮に遭遇することで抑えていた虐殺の欲望に囚われていきます。

敵グループも非常に強力かつ残忍でエッジが立っており、異常さが際立ちます。一巻ではその存在が明らかになりつつある状況で、二巻以降の本格的な対決が楽しみです。

2017年11月10日金曜日

1136.「それでも反日してみたい」はすみとしこ

現在社会をスタイリッシュなイラストで風刺しています。

深刻な内容が可愛いイラストで表されているところが非常に面白いです。

政治がよく分からない世代でも充分理解できるのではないでしょうか。

一応知っていた事件の内幕が明かされます。

  • 慰安婦像は慰安婦死亡後の新たな集金システム
  • 国連特別報道者は職員でなく単なるボランティア
  • 左翼に乗せられた学生団体の学生に就職先がない

気軽に読めて、深く考えさせられる本です。

2017年11月8日水曜日

1135.「怖い絵 泣く女篇」中野 京子

「怖い絵」展を見に行くために種本を勉強中です。本書は3部作のうちの「泣く女篇」。左の「レディー・ジェーン・グレイの処刑」が掲載されています。

普段は美術館へ行っても、何となく絵を見て「綺麗だな」と思う程度です。たまに音声ガイドを借りますが、それで分かるのは、絵の構図、色彩、描かれた時代背景等です。

本書の内容は、絵に描かれたシーンの意味や登場人物達の人間関係、絵からは分からない残酷なストーリーです。

それらが一体となり、なぜこの美しい絵が怖いのか、段々分かってきます。本書を読んだ後は、それまでボーと見ていた絵の奥深い意味を知り、これらの絵の見方が変わってきます。

2017年11月6日月曜日

1334.「悲しいサヨクにご用心!2017/9/7 倉山 満、 杉田 水脈、千葉 麗子

右翼と目される3人の対談です。
左翼批判だけの本ではなく、日常の政治問題について語っています。

右翼であろうと左翼であろうと根本には愛国心があるべきですが、著者の言うように日本の左翼には愛国心がなく、反日的に見えます。自虐史観からでしょうか、日本的な事はことごとく否定するように感じます。

そして、自民党政権がやることは全て悪いと否定し、批判することが暴走(?)に歯止めをかける正義だと信じ込んでいるように思えます。

米軍撤退、改憲反対、自衛隊解体、天皇制廃止を叫びますが、それで日本をどう守るのかと言えば、話し合えば解決するとか、憲法9条があるから外国はせめて来ないとか、日本が攻撃されたら国連が守ってくれるとかいった幻想に浸っているように思えます。

自分の国は自分で守れる、強力な軍事力を持って中立を保つスイスのような国になるべきだと思います。

2017年11月2日木曜日

1333.「希望の日米新同盟と絶望の中朝同盟: フェイク・ニュースの裏側にある真実」 藤井 厳喜

本書は難しいテーマを分かりやすく解説してくれます。

日本の新聞では伝えられない政治と外交の真実の姿がよく分かります。著者の予測は意外ではありますが、きちんとした根拠に基いており、かつ著者の過去の的中率からしても信頼がおけるものです。

日本のメディアが伝えるトランプ大統領の姿とは全く異なり、アメリカ経済をしっかり立て直しているようです。そして、外交にもよく目配りしてオバマ大統領が崩してしまった中東諸国との関係も再構築できているようです。

中国はバブルに突っ走っており、突然死が避けられないようです。韓国は親北化がすすみ、にわかには信じられないのですが、北朝鮮を中心とした統一が進むと見られております。

この状況下で、日本はビジネスを主として中韓から撤退し、軍事面、外交面で守りを固め、予想される朝鮮からの難民に備える必要があると思いました。

2017年10月31日火曜日

1332.「やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける」 アンジェラ・ダックワース

著者は才能が直接貢献を生み出していないことに気づき、研究の末、その秘訣は「やり抜く力」にあるとの結論に至りました。

物事を達成するには2段階あるそうです。
1.才能✕努力=スキル
2.スキル✕努力=達成

つまり、才能が乏しくても努力することでスキル化でき、スキルを使って努力することで達成することができます。

本書で述べられていることは、日本のことわざ
「継続は力なり」
「好きこそものの上手なれ」
を学術的に論説したものです。

日本人には馴染み深く、浸透している考え方ですね。

2017年10月25日水曜日

1331.「中国が反論できない 真実の尖閣史」 石 平、 いしゐ のぞむ

尖閣の日本帰属に関する論説の決定版です。

尖閣諸島に関する最古の記録は、明王朝の冊封使である陳侃(ちんかん)による1534年の公式記録「使琉球録」です。その中で、陳侃は琉球国職員に案内されて尖閣航路を東へ渡航したことを記録しています。

それまでは陳侃も福建省の地元民も琉球へ向かう航路を知りませんでした。行ったこともない尖閣諸島が支那に帰属するはずがありません。

尖閣諸島は、西洋の記録でも無主か琉球王国に帰属すると書かれています。琉球王国は、1609年に薩摩の統治下に入った列記とした日本国の一部です。
よって、尖閣諸島は日本の領土です。

著者はよくもここまで調べて、まとめ上げたものです。中国は本当に反論する余地がありません(でも、捏造するでしょう)。

この本を英語、中国語、韓国語に翻訳して世界中に拡散すべきです。それでも中国は尖閣諸島の占領を目論むでしょう。しかし、動かし様のない証拠があれば侵略の根拠がないので抑制になると思います。

2017年10月24日火曜日

1330.「のびのび生きるヒント」 武田 双雲

のびのび生きる「のびのび道」を教えてくれます。

1.のびのび瞑想
2.のびのびモード
3.のびのび言葉
からなる「のびのびメソッド」がのびのび生きるヒントです。

「のびのび道」でラクに生きていくために大切なのが、苦労と成功を混同しないこと。
「あの人は苦労してないから、うまくいかないんだ」と考えず、苦労と成功を切り離して考える。

今がうまくいってなかろうが、うまくいっていようが、のびのびとベストを尽くす。それが成功に近づく方法だそうです。

お金がなければ「お金がないからできること」を考えます。お金の問題は工夫次第でどうにか打開できます。

そして、お金をもらわなくてもこの仕事を続けたいと思える稼ぎ方が見つかれば、お金の流れは自然と向かってくるそうです。確かにそうかもしれないと最近思えてきました。


2017年10月23日月曜日

1329.「欧米の侵略を日本だけが撃破した」 ヘンリー・S・ストークス

日本人として生まれてきたことを誇りに思える本です。

私には、太平洋戦争は日本が中国を侵略するために起こした戦争だという潜在的な観念がありました。

しかし、それはWGIPによって刷り込まれた東京裁判史観であり、大東亜戦争は日本の自衛戦争だったと段々確信できるようになってきました。

朝鮮を併合したのは朝鮮半島がロシアに占領されるのを防ぐためであり、満州を建国したのは、満州に住む日本人となった朝鮮人を守るためでした。ところがこれが白人の権益を奪うものだと考えたロシアが中国共産党を使って支那との戦争に引き込んでいったと思われます。

著者は、この史実を韓国も中共も否定し、存在しない南京大虐殺や慰安婦によって貶めようとするのは、日本に対する嫉妬だと論じています。

神の子孫である天皇のもと、万世一系で2677年も続いてきた国家は、世界中で日本しかなく、近代化に成功してアジアで最初に先進国となったことが妬ましくて仕方がないようです。

日本の歴史に目を向けて、日本人であることに誇りを持ち、欧米に追従せずに、日本独自の強みを伸ばすことが現在の停滞から抜け出す鍵ではないでしょうか。

2017年10月19日木曜日

1328.「韓国は日米に見捨てられ、北朝鮮と中国はジリ貧」 宮崎 正弘、 藤井 厳喜

二人の碩学の対談集です。

今後、世界で起こる可能性の高いことは、

  • EUの解体
  • 北主導による朝鮮半島統一
  • 米中の衝突

そして、米国と北朝鮮が戦争になったとしても、中国は米国の力を削ぐために闇ルートから武器を供与し、作戦を遂行し、義勇軍を派遣するだろうとの読みです。

この危機に対して日本は憲法改正が必須となりますが、改正ではなく廃止として明治憲法に戻り、明治憲法を改正するという案が提示されています。その発想には驚きましたが納得のいくものでした。

また、アメリカ経済は自由経済といいながら実際は軍事産業の転用という話は、中野剛志さんも仰っていることです。日本の新幹線などの技術も大東亜戦争のときの技術者により作られたとのことで、現在軍事産業が弱い日本ではなかなか画期的な技術が生まれにくそうです。

短期の企業業績に左右されずに長期で革新的な技術を生み出すために、国による内需への投資が必要と思いました。

2017年10月17日火曜日

1327.「通州事件 日本人はなぜ虐殺されたのか」 藤岡信勝、 三浦小太郎

通州事件とは、1937年7月29日、北京東方20キロの通州で起こった、支那兵による日本人惨殺事件です。

通州に在住していた400人の日本人が遺留兵を守る任務を帯びていた地方政府の保安兵に突然襲撃され、225人が陵辱惨殺されました。

3000人の武装兵が日本人の家を襲撃し、家から引きずり出して全裸にしました。男性は眼球をくり抜き撲殺し内蔵を引き出しました。女性は強姦し陰部に銃剣を突き立て、妊婦の腹を引き裂いて胎児を引きずり出しました。

この事件は、日本軍の誤爆に怒った支那兵の反撃という説がありましたが、本書では2年前から計画された同時多発テロであることを証明しています。

通州事件は殆ど知られていない事実です。実際にはなかった南京大虐殺のプロパガンダで日本の評価が貶められようとしていますが、通州事件など実際にあった惨劇はしっかり伝えることで戦争における真実の日本を伝えるべきだと思います。


2017年10月12日木曜日

1326.「グローバリズム その先の悲劇に備えよ」中野 剛志、 柴山 桂太

グローバリズムは近年に起こったものではなく、第二次大戦前にも起こっていました。それにより金融恐慌が発生し世界的な不況を引き起こしました。

戦争中の戦時公債発行による需要喚起や、戦後の公共投資、労働組合結成、農協設立など社会主義的な施策により内需が重視され、景気も立て直して、国民も豊かになりました。

しかし、特に小泉内閣以降、竹中氏の構造改革によりこれらが悪とされ、公共投資は抑えられ、郵貯は解体され、農協も弱体化されました。法人税率は軽減され企業が利益を増やしても株主に分配されて労働者に分配されず、消費税率が引き上げられ、増えない給与で税金だけが上がるというダブルパンチとなっています。その結果消費が盛り上がらず、デフレが続いています。

これらの背景にはグローバリズムがあり、米国はTPPから脱退しNAFTAを見直し、英国はEUから脱退と、ナショナリズムに舵を切りましたが、日本はナショナリズムを勧める勢力がなくグローバリズムが更に推進されています。

「グローバリズム その先の悲劇に備えよ」というタイトルですが、その策は提示されずただ暗澹とした気分が残りました。

2017年10月11日水曜日

1325.「こうして歴史問題は捏造される」 有馬 哲夫

中韓二国との歴史問題(そもそも問題などないのですが)が解決しないのは、中韓では「反日」が「建国イデオロギー」だからです。

中華人民共和国は、中国共産党が中国国民党の内戦に勝利して大東亜戦争終結の1945年8月15日から4年後の1949年10月1日に建国されました。中国共産党は日本軍と交戦したことが殆どにありません。それなのに日本軍を打ち破って建国したと主張します。内部抗争ではカッコがつかないからでしょう。

大韓民国は、大東亜戦争終了後、アメリカとソ連が朝鮮半島に主権国家がないため、それぞれで北と南に分けて、上海で大韓民国臨時政府樹立したことがある李承晩を大統領に据えます。大東亜戦争当時、朝鮮は日本に併合されており日本軍としてアメリカと戦ったいました。朝鮮軍などなく、日本軍と戦ったことはありません。しかし、アメリカが韓国を建国したでは民族を鼓舞する歴史になりません。そこで、李承晩が捏造した抗日運動で日本軍に勝って、独立したという話を信じ込んだのです。

これらの話には根拠がありません。しかし、中韓にとっては証拠など必要ないのです。さらに、これらの話が架空であることを認めません。認めると「建国イデオロギー」が消滅してしまうからです。

こうして、歴史問題は捏造されていくのだということが良く分かりました。

2017年10月10日火曜日

1324.「R帝国」 中村 文則

実質的に一党独裁の国家「R帝国」。

B国に対し宣戦布告しましたが、無人機が戦闘の主役の時代、国民は戦争にどこか慣れてしまっています。

国民はスマホの発展形のような「HP」に情報収集を任せており、行動の判断さえも頼り切っています。

そんな中、Y宗国がR帝国の都市に進行し、国民を殺害しながら女性を強姦し、ついには原子力発電所を占拠してしまいます。

しかし、この侵攻はどこかがおかしい・・・

AI、移民、宗教、インターネット、格差社会、非正規雇用など現代の問題を極大化してその行き着く悲劇を際立たせています。

国家が国民を管理し、一部の人間の利権を守る。その手法は狡猾であり、殆どの人間は自分が操られていることに気づいていません。

この本を読むと、こういった手法は現代社会でも用いられ、自分も誘導されているのではないかと疑惑の念が浮かんできます。

2017年9月28日木曜日

1323.「逆襲される文明 日本人へIV」 塩野 七生

ローマやギリシアを研究しつくした著者ならではの視点から見た、現代日本についてのエッセーです。

イタリアに一日千人、一年間で数十万人の難民が流れ着くことを初めて知りました。しかも、イタリアの海域に入る前にSOSを発信するのですが、人道的見地からイタリアが救助に向かうそうです。

イタリアは他国への負担の分担を求めるそうですが拒絶されてしまい、結局イタリアの負担に。こうなると経済的負担は勿論の事、社会の仕組みも変容してしまいます。

かつてのローマはこういった問題をどう解決していたのか。それは自国民と難民の待遇を区別していました。そんな環境でも難民は努力して、その子供たちが医者になるなどして身分を上げていったそうです。

しかし、現代では人権的な観点から、難民にも自国民と同等の社会保障などを与えます。これが大きな負担となり財政を圧迫しているのです。

確かに、自国民と難民を区別することは酷いことのように思えますが、難民に最低の補償を与え、自分の努力(もちろん努力では及ばないところはサポートすべきです)で身分を高め、社会に同調することも必要だと感じました。

2017年9月26日火曜日

1322.「巨匠に教わる絵画の見かた (リトルキュレーターシリーズ)」 早坂 優子

年代順に画家ごと画家の代表的な作品に説明しています。

画家の歴史的、技術的な解説に加え、時代背景や画家に影響を与えた画家も分かり絵をよく理解できます。

それに加え、有名な画家によるコメントもあり、専門家から見た絵の見どころや批判なども面白いです。

私のように絵に詳しくない人間でも楽しく読めて、勉強することができる一冊です。

2017年9月25日月曜日

1321.「超訳ニーチェの言葉」フリ-ドリヒ・ヴィルヘルム・ニ-チェ、 白取春彦」

 「一日の終わりに反省しない」
意外な言葉でしたが、それは疲れ切っているときにする反省はすべて鬱への落とし穴になるからだそうです。

言われてみれば納得が行きます。まじめに一日の反省をする真面目な人ほど、疲れによって自分を責め過ぎて病んでしまうのかもしれません。


「満足が贅沢」
哲学者エピキュロスは快楽を追求した結果、小さな庭、数本のイチジクの木、少しばかりのチーズ、3~4人の友人で十分に贅沢に暮らせるという結論に至りました。

私も、ビール、柿の種、ゆったり眠れる布団があれば十分に満足できるように思えました。

「職業がくれる一つの恵み」
人生の憂いに襲われた時、慣れた仕事に没頭することで苦しみから逃れられ、そのうちに事態が好転することも有り得るとのことですが、その通りだと思いました。

どれも深い示唆に富んだ179の箴言からなります。自分にあてはまるものが、いくつか見つかるものと思います。

2017年9月22日金曜日

1320.「今度こそ読み通せる名著 スマイルズの「自助論」」 S.スマイルズ、 夏川 賀央

歴史の教科書に出てきた「西国立志編」が本書と同じ"Self-Help"の翻訳本です。

子供の頃に読んだ渡部昇一訳の「自助論」は、本書より薄かったように記憶していますが、原書はかなり厚いらしく、本書も原書から抜粋しているようです。

豊かでない家庭で育った人たちが自らの努力によって自らを助け、偉大な業績を残していく。今から100年以上まえの欧州での話ですが、現代でも十分に参考になります。「自助」の効果は自然の理なのでしょう。

お金のテーマについては、貯めることに重きが置かれています。
しかし、全編を通じ偉大な仕事を成した人は、稼いだ僅かなお金を惜しみなく自分の研究に投じています。

お金を貯めることはもちろん重要ですが、その貯めたお金を自分の能力に投資することもゴールデンルールであるように思いました。

2017年9月21日木曜日

1319.「父・福田恆存」福田逸

福田恆存の本といえば、評論しか読んでいませんでした。

評論文では革新的かつ断定的な意見で自身に溢れていますが、本書では息子さんから見た素顔の恆存が描かれています。

本書では評論家としてではなく、翻訳家、脚本家、演出家、劇団代表としての顔が中心です。友人との喧嘩や息子との確執などに悩む”人間”福田恆存が描かれています。

劇団運営における資金難、俳優たちの別離、脳梗塞による衰えなどが生々しく、こういった苦悩を抱えていたことに驚きました。

2017年9月13日水曜日

1318.「戦争と平和」 百田 尚樹

本書は、ゼロ戦の蹉跌、永遠のゼロ批判への反論、護憲論者への批判からなります。

ゼロ戦は、当時最高の戦闘機でしたが、それを達成するために大量生産を捨て、飛行士の命を危険にさらしました。それが長期戦において、正反対の設計思想を持つ米軍機に追いつかれ、逆転を許すこととなりました。

永遠のゼロは、発売当初殆ど注目されずあまり売れませんでした。しかし、口コミでじわじわ売れ始め、450万部を売り上げるベストセラーになりました。

命の重さをテーマにした内容ですが、そこを明確にするため新聞記者を対立軸と置いたからでしょうか、朝日新聞に目を付けられ、戦争賛美小説とレッテルを貼られてしまいます。しかし、内容の本質は生きて日本へ帰ることとだが、多くの若者が日本のために自らの命を散らさざるを得なかったことだと思います。

日本国憲法は、法律に素人のアメリカ人の若者がコピペで7日で作り、2日で翻訳されたものです。しかし、それがWIGPで神格化され、今や日本を縛るカルトの教義となっている感があります。

「9条があるから平和でいられる」という主張も、中国の尖閣侵攻と北朝鮮の核保有により説得力を失っています。早急に日本と日本人を守れる憲法への改正が必要と思いました。

2017年9月12日火曜日

1317.「マンガ 自営業の老後」 上田 惣子

私は自営業者ではないのですが、自営業者に少し近い働き方をしており、いつ自営業者になるかもわからないので、興味を持って読みました。

特に、保険、投資、不動産、営業がとても勉強になる内容でした。

保険は、公的保険を中心に医療保険を細かく掛ける。
不動産で儲けるのは、非常に難しく、様々なリスクがある。
営業は細かく探客するより、勉強したことを発表して向こうから声がかかるようにする。

収入が不安定で波がある自営業。しかも50歳を過ぎると仕事の発注者が現場を離れ、仕事も先細りしてくる。そんな状況にも負けないで保険、年金、仕事をうまくコントロールしている体験談が非常に参考になります。

2017年9月11日月曜日

1316.「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」」 山口 周

現代の企業が直面する問題として、「論理的・理性的な情報処理スキルの限界」があるそうです。その原因は、
1.「正解のコモディティ化」
論理的思考など誰でもできる思考方法が広まったため、皆が正解をだせるようになった。
2.「方法論としての限界」
問題の要因を単純化して解決するアプローチに対し、要因が複雑に変化するようになった。

その結果、「差別化の消失」が起こり、企業はそれでも差別化を求めるため「早さ」と「安さ」に走り、利益の架空計上や従業員の過労死が起こると指摘しています。

経営を「クラフト」「サイエンス」「アート」という3指標に分類したところが面白いです。

マッキンゼーが引き合いに出されていますが、ベテランコンサルタントの経験で売上を伸ばしていたのが「クラフト」。
それだと売上が頭打ちになるので、優秀な学生が簡単なトレーニングでできるように知識を汎用化したのが「サイエンス」。
売上は飛躍的に伸びたが「正解のコモディティ化」でコンサルの成果が上がらなくなってきたため、デザイン会社を買収したのが「アート」。

アップルやマツダなど、最近業績を挙げている企業はアートに強い拘りを持っていることが分かりました。個人としても「美意識」を鍛える必要性があることを痛感しました。

2017年9月6日水曜日

1315.「闇の花道―天切り松 闇がたり〈第1巻〉」浅田 次郎

まだ、武家社会の残滓が残る大正時代。社会は混乱から抜け出し始めていたが、依然として激しい貧富の差がありました。

松蔵の父はバクチで身を持ち崩し、松蔵の姉を女郎部屋へ売り飛ばし、松蔵を盗賊へ預けます。松蔵が預けられたのは、義賊と名高い「細目の安吉」。

盗人一家で育ちながらも、筋目が通った粋な義兄弟達に生き方を教えられ松蔵は逞しく成長していきます。

ある日、町で知り合った吉原の女郎部屋の息子を伝に、生き別れになった姉の行方を探すのですが・・・。

貧しさに抗いながら、社会の理不尽さに立ち向かっていく姿に胸が打たれます。



2017年9月5日火曜日

1314.「大人の覚悟――お悩み上手のあなたへ」三石 由起子

著者はテレビやラジオで悩み相談の相談員を歴任しています。

そこで気付いたことは、「悩むこと」が「真面目に生きること」だと思いこんでいる人々が多いことだそうです。

自分の楽しみを放棄して、深刻な顔して暮らすことが「誠意」であり、「正義」であると思い込んでしまっていると指摘します。

確かに、日本人にはこの傾向が強いように思います。「悩むこと」は真面目な人間の証のように感じられるのかもしれません。

人は悩みのないことまで悩むようになったとして、「孫の登校拒否」「息子の彼女の態度」「娘夫婦の家庭の問題」「親戚の遺産相続」などが挙げられています。これらは日常、悩みとしてはごく当たり前のようにも思えますが、言われてみれば、自分の直接的な問題ではなく、悩むことはお節介であるのかもしれません。

自分の悩みは、実は全く悩む必要のないものかもしれないので、冷静になった見直すことを習慣としたいです。

2017年9月4日月曜日

1313.「今度こそ読み通せる名著 マキャベリの「君主論」」夏川賀央、 マキャベリ

昔からずっと読みたかった「君主論」。
これまで何度か挑戦しましたが、なかなか内容が頭に入りませんでした。

本書は、「君主論」が非常にやさしく訳されているので、とても読みやすいです。

遠い昔の政治の話ですが、その本質は今でも役立つと思います。

「あらゆる君主国にとって基盤となるものとは、よき法とよき軍です。」日本の憲法はよき法と言えず、自衛隊は頑張っていますが未だ軍と認められていません。そうなると日本は基盤が弱いということになります。

「自らの軍もなく存続している国は、ただ幸運だったにすぎない。」
憲法9条があるから日本は平和なのでという意見もありますが、私はマキャベリの「ただ幸運だったにすぎない。」の意見に賛成です。

国の存立について、考えさせられる良書です。