2017年12月28日木曜日

1160.「徹底検証「森友・加計事件」――朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」 小川榮太郎

この本の内容により、著者が朝日新聞社から訴えられた、話題の本です。

森友事件は、思い込み激しい夫婦が起こした詐欺事件のようです。
加計事件は、既得権益を守りたい獣医学会と行政権限を誇示したい文科省の新規参入妨害に見えます。

朝日新聞社がそれを無関係だった安倍晋三夫妻があたかも首相の権原を使って、行政を捻じ曲げたかのような印象操作で、国民を政権不信へと誘導したとの論調です。

国民は、まんまと朝日新聞に乗せられ「あれだけマスコミが報道しているのだから、何か不正があったに違いない」と、安倍首相に対して疑心暗鬼になりましたが、結局、何も出てきませんでした。

朝日新聞の手法は、自分に都合が悪い事実は報道せず、使えると思った資料を黒塗りなど加工し捏造する、非常にたちが悪いものと感じました。

その結果、北朝鮮がミサイルを発射するという危険な時期に国会が空転し、日本の防衛体制強化が送れてしまいました。この報道犯罪は非常に罪深いと思いました。



2017年12月26日火曜日

1159.「マルドゥック・ヴェロシティ3」 冲方 丁

凄惨な最終巻です。
敵のカトル・カールを殲滅する一方、ボイルドの所属する09のメンバーも一人、また一人と命を落としていきます。

そして、ボイルド達が最も信頼していた人物が、実は最大の裏切り者で、この殺戮の原因を創っていたとわかり・・・

壮大な謎が最後に解き明かされていくのですが、1巻で提示された謎であるため、正直、詳細については殆ど忘れていました。しかし、複雑な伏線を回収していく構想力は驚くばかりです。

アクション小説として秀逸ですが、ミステリー小説としても一品です。2つの側面が混合して複雑にして重厚な長編となっています。

マルドゥックスクランブルの前の話ですが、ラストシーンはマルドゥックスクランブルを読んでいないと理解が薄くなるかもしれません。


2017年12月25日月曜日

1158.「消えない月」 畑野智美

ストーカーの被害者側と加害者側から描かれた犯罪小説。

松原は、一見普通のイケメン。さくらは松原と交際を始めるが、松原は独占欲が強く、さくらが自分の言うことに疑問を持つと起こり始める。怖くなったさくらは、「別れたい」とLineするのだが・・・

松原はマザコンで、亡くなった父親へのコンプレックスをいただいています。相手の言動は自分の都合のよいようにしか解釈しません。

さくらは、優しくて気が弱く、嫌と言えない性格です。そのため、以前にも老人にストーカーされたという過去があります。その性格がストーカーを引き付けてしまうようです。

松原から逃げても逃げても追われ続ける状況が不気味です。警察の不親切な対応とさくらの自分さえ我慢すればという意識がストーカー行為を悪化させてしまいます。

ストーカー事件はこうして起きるのかと実感できる小説です。

2017年12月21日木曜日

1157.「幸福の「資本」論――あなたの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」」 橘 玲

終身雇用といった日本的経営のために、中国・韓国企業の後塵を拝することとなったという見方には同意できませんでした。

経済の見方には同意できないものの、個人のキャリア形成については勉強になる点が多かったです。

仕事を、マックジョブとクリエイティブクラスに分け、さらにクリエイティブクラスをスペシャリストとクリエイターに分けています。

マックジョブは責任がないものの賃金が低く、クリエイティブクラスは責任を負うが打った分だけ賃金が高くなります。

スペシャリストは出来高払いなので収入は高くなるが拡張性がないので富や名声は期待できません。

クリエイターは拡張が高いため当たれば富と名声を得られますが、あまり当たりません。

非常に正確な分析です。私はスペシャリストにあたる仕事をしているので、本書に書かれた「収益の最大化」と「自己実現」を両立できる基本戦略を採用したいと思いました。

2017年12月18日月曜日

1156.「コミンテルンの謀略と日本の敗戦」 江崎 道朗

非常に読み応えがあり、子どもの頃に教わった第二次世界大戦の概念を変える内容でした。

子どもの頃に教わった概念は、
「軍部の右翼勢力が中国侵略を目的に満州事変を起こし、右翼全体主義者が大政翼賛制を敷き、石油の確保のために南進政策を取った」というものです。

本書が主張しているのは、
「日本軍は満州の日本権益を守るために応戦し、左翼全体主義者が昭和研究会を通じて近衛首相を洗脳して大政翼賛制を敷かせ、ソ連との戦闘を回避するため南進政策へと誘導した」というものです。

大東亜戦争の影には共産革命を目論むコミンテルンの謀略があり、その実行のために尾崎秀実と笠信太郎といった隠れ左翼達が昭和研究会で近衛首相を、朝日新聞で国民を英米への戦争へ煽っていったという骨子です。

大東亜戦争については、これから更に文献が公開され、明らかになっていくと思います。

2017年12月14日木曜日

1155.「2030年ジャック・アタリの未来予測 ―不確実な世の中をサバイブせよ!」 ジャック・アタリ

様々な国、そして世界の2030年に向けた政治、経済、紛争などのシミュレーションです。

生活水準の向上、平均寿命の伸び、極貧の減少など世界はここ数十年で順調に進んでいるように見えます。

しかし、その影では、世界人口の高齢化、最貧国の人口爆発、環境悪化、貧富差の拡大など、破綻に向けて一歩ずつ歩を進めているとの指摘です。

著者はその破綻を回避するためには、自分より相手を大切にする「利他主義」が鍵となると主張しています。

経済状況も、宗教も、政治も異なる国々の人々が、利他主義の精神を持つことはとても難しいと思いますが、尊いことだと思います。

2017年12月13日水曜日

1154.「難しいことはわかりませんが、英語が話せる方法を教えてください!」 スティーブ ソレイシィ

まず、TOEIC Listening & Reading Testの勉強はする必要がないそうです。

これは試験名通り、リスニングとリーディングのテストなのでいくら勉強しても話せるようにならないからです。

問題もクイズのようなので実際の会話とは少し離れているそうです。

そこでどうするのか。

まずは、オンライン英会話を活用します。月5,000円位の安い料金で、毎日英会話することができるからです。

次に、スピーキングテストを受けます。自分の会話レベルが明確に分かるからです。

この2つをやることで英語が話せるようになるとのことです。

この方法を補強する方法として、ヒアリングについては、アマゾンプライムに入会して海外ドラマを見まくって耳を鍛えます。月400円の会費で海外ドラマをいくつでも見ることができます。

スピーキングについては、よく聞かれる内容は事前に回答を作っておいて、それを繰り返し話します。事前に回答があれば、その場で悩まずに話せます。

英語を話せるようになる非常に実用的な方法だと思います。

2017年12月12日火曜日

1153.「ありがとうの魔法」 小林 正観

次の言葉は、心に沁みた言葉の一部です。

「『いかに喜ばれるか』を考えれば、まわりの人々、全員がうまくいく」
いかに売上を上げるかをどうしても考えがちですが、「いかに自分が喜ばれる存在になるかを考えるほうがいい」という話はその通りだと思いました。

「売上を上げる方法」をいくら考えてもその通りになかなかならないし、焦るものです。それを「喜ばれる存在になる方法」を考えることは自分にとってもワクワクすることですし、そうなることで売上が上がればなおいいです。

「今日の『私の判断』は、人生で最高峰、最ベテラン、最年長。だから、後悔しなくていい。」
どうしても、「あの時ああすれば良かった」と繰り返し後悔してしまいます。それは、決断を下した時点を切り取って見れば、後悔しているにとって最も若い自分だから。

しかし、過去から見れば最ベテランの自分が下した判断だったはずです。その時点では最高の判断だったと考えれば納得できます。

読むと心が楽になる本です。

2017年12月11日月曜日

1152.「斎藤一人 品をあげる人がやっていること」斎藤一人、 高津りえ

斎藤一人さんの話は全体の4分の1くらいです。あとの4分の3は高津さんの話。

タイトルから斎藤一人さんが考える品をあげる人の習慣を期待していましたが、期待はずれでした。

実際は、高津さんのスピリチュアルの話が殆どで、共感できる人にはいいのだろうなと思いました。

斎藤一人さんの部分は、よい話でした。この話をもっと詳しく読みたかったです。

お弟子さんの本を売るために、斎藤一人さんの名前を大きく使うのは誤認を生ずると思います。出版社は本当の著者の名前で売る真摯な努力が必要ではないでしょうか。

2017年12月8日金曜日

1151.「怖い絵」 中野 京子

いよいよ今週末の12月9日に話題の「怖い絵展」を見に行きます。平日70分待ち、休日3時間半待ちなので、見れるかどうか少し心配です。

ということで、種本3部作の中の2冊めを読みました。
これも面白かったです。

特に気になったのは、ドガの「エトワール、または舞台の踊り子」。
とても有名な絵なので、どこかで見たことがあると思います。
舞台の上で光を浴びて踊る可愛らしい踊り子。

しかし、舞台左奥の黒いスーツの男に気付いたでしょうか。
なぜ華やかな舞台に無粋な男が?
その理由は、踊り子は実は・・・

紹介されている作品は22点。一見すると美しい絵画が暗示する、その裏側にある闇の部分を解き明かし、作品の理解を深めるとともに、人間の業の深さに気付かせてくれます。

2017年12月7日木曜日

1150.「半百の白刃(上) 虎徹と鬼姫」長辻 象平

近藤勇の「今宵の虎徹は血に餓えている」というセリフで有名な名刀「虎徹」

その「虎徹」の刀工である長曽禰興里(ながそねおきさと)の半生を綴った歴史小説です。

興里は元々甲冑師でしたが、甲試しの結果、相手の刀工が自害してしまいます。責任を感じた興里は甲冑師を辞め、50歳にして江戸へ上り、自己流で刀鍛冶を始めます。

興里の刀は丈夫でよく切れるのですが、実用性に特化した無骨な刀身ゆえに全く売れません。
しかし、旗本の娘の邦香が興里の刀の真価を見抜いたことがら興里の運命が変わり始めます。

50歳から新しいことを始めても一流になることができるという希望を与えてくれるお話です。

2017年12月6日水曜日

1149.「儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇」ケント・ギルバート

中国人、韓国人のメンタリティと儒教の関連性は、触れられてはいますが詳しくは説明されていません。

大まかに言うと、儒教の悪い部分だけ残したため、自己中心主義になってしまったということでしょうか。中国人、韓国人の気質を知る入門書に適しています。

南京大虐殺や従軍慰安婦の嘘についても、基本的な説明をしてくれます。

また、中国共産の沖縄侵略の野心や、韓国人の日本妬みという基本構図もうまく説明されていて分かりやすいです。

2017年12月5日火曜日

1148.「京都花街の芸舞妓は知っている 掴むひと 逃すひと」 竹由 喜美子

京都の芸者さんが見てきた成功した人に共通する習慣です。

こういった種類の本は沢山あり、柳の下のどじょう的な感はありますが、ためになり真似したい習慣もありました。


例えば、

おみやげは、「高級な消えもの」を百貨店で買う。
カラオケはプレゼンの場。エグザエルは歌わない。
お酌は「最初の一杯だけ。後はセルフでいきましょう。」
いつ何時も「自分の言葉で語れるように準備しておく。」
(詳細と理由に興味ある方は本書でご確認ください。)

これらは、取り入れていきたいです。


2017年12月4日月曜日

1147.「崩れる脳を抱きしめて」 知念 実希人

話の流れとして不自然な部分が多いですが、あまり気にせず読めました。

終末医療の病院が舞台となる一風変わった小説です。

1章は単なるツンデレのラブストーリーですが、2章からミステリーに転じるという凝った形式です。

話も二転三転する、とても手の込んだ作りで、伏線もうまく配置されてきれいに回収されていきます。

「限られた寿命の女性を愛していけるのか」もテーマとしています。最後にホッとする読後感のよい小説です。

2017年12月1日金曜日

1146.「こうやって、考える。」 外山 滋比古

日々、考えるための手軽で実用的な方法論です。

例えば、「”ことわざ”を作る」、「感想を書く」、「新しいことばを覚える」など。

日頃意識してやっていないけど、注意して習慣にすればそれだけで物事を考えることができます。

実行したいアイデアがいっぱいです。