2018年1月31日水曜日

1173.「60歳からの外国語修行――メキシコに学ぶ 」 青山 南

著者は英文学の翻訳家です。

アメリカ小説を翻訳しているとスペイン語がよく登場するようになり、アメリカ人作家がスペイン語で小説を書くようにまでなったため、スペイン語に興味を持ち始めました。

しかし、ラジオ講座でスペイン語を勉強し始めたものの長続きしませんでした。そこで、60歳を過ぎた頃、メキシコのグアダハラ大学に10ヶ月間の語学留学し、その6年後に同じくメキシコのオアハカの語学学校へ3週間の語学留学をしました。

本書はその時の学校での学習状況やメキシコでの日常生活が描かれています。

私もスペイン語を勉強し始めたのですが、メキシコへの語学留学という発想はありませんでした。

割りと手軽で費用も高額ではないようなので、60歳過ぎたら私も留学したいです。

2018年1月30日火曜日

1172.「自分で考えて生きよう」 松浦 弥太郎

見開き2ページに日常生活の「工夫・コツ」が書かれています。

大成功した話などではなく、著者が日常生活から見つけた人生訓なので、すごい結果は得られないものの、小さな成功を体感できる身近な習慣です。

お金が嫌がることを考えたり、今日感じたベリーグットを記録したり、ありがとうを100回言ったりなど、何だか自分も取り入れてみたいなと思え、読むと心がホッとします。

人間は大層なことをしなくても、幸せを感じることができるんだなと思えました。

2018年1月25日木曜日

1171.「ソバニイルヨ」 喜多川 泰

本を読んで、久々に感動しました。

生命のないロボットの話にこんなに心が動くのはなぜでしょう。

主人公の隼人は中学生。ロボットのユージから思春期に指針とすべきことを教わります。

「最初カラ期待シナイコト」
「まずはどんなことも、人のセイにしない。」
「必要最低限を超えないと損だ。」

これらのメッセージは、私にも大変勉強になるものでした。

本書を通じて読者も「アイ」を体感することができる、素晴らしい本です。

2018年1月22日月曜日

1170.「50 代から実る人、枯れる人」 松尾 一也

本書の読む前のイメージは、50歳になってビジネスで成功した人の50歳までの行動様式というものでした。

30代、40代でこういうことをやってきたから企業で出世したとか、起業してお金持ちになったとか。。。

しかし、実際はそんなバリバリした内容ではなく、50歳から幸せに生きるためのまったりとした習慣が書かれています。

結局、長~い目で見ると大手企業にいる人も巨万の富を得ている人も、80歳位になると大差がないそうです。

そこで、家族と月一回食事に行く、スポーツクラブに通う、仕事自体を楽しむなど、著者の実体験の中から気付いた「実る人の習慣」が紹介されています。

やろうと思えば誰でもできるので、自分でも取り入れたいと思いました。

2018年1月19日金曜日

1169.「デザインの誤解 いま求められている「定番」をつくる仕組み」 水野 学、 中川 淳

物を作りさえすれば売れた高度成長期、機能を追加していけば売れたバブル期を経て、画期的な機能を生み出しにくくなったデフレ期が続いています。

商品の価格が下がる一方で、企業は差別化を図ろうとし、デザインの分野でも派手なデザインに走った挙句、アップルなど外国企業の商品の後塵を拝するようになってしまいました。

著者はその理由を「機能デザイン」と「装飾デザイン」で分析しています。

日本企業は、「装飾デザイン」というドーナツの外縁に走ってしまったため、ドーナツの中心たる「定番」商品がすっぽり抜けてしまったという指摘です。その結果が、テレビのリモコンに見られるような使いにくい製品ばかりで日本製品が売れなくなってしまいました。

「機能デザイン」から離れないで、ブランド構築するための「ブランドデザイン」を目指していくべきとの指摘は、その通りだと思いました。


2018年1月18日木曜日

1168.「か「」く「」し「」ご「」と「 」住野 よる

5つの短編を組合せた連作小説です。

5人の高校生(男二人、女三人)のグループの織りなす青春小説です。一人につき一短編でそれぞれの目から見た四人を描いています。

5人ともそれぞれ特有の「かくしごと」があり、それを隠しながら他の人より相手をよく分かっていると思い込んでいます。

しかし、「かくしごと」があっても、結局は相手の気持ちが分からないという人間の機微がよく表現されています。

タイトルに挟み込まれている「」にも意味があり、読み終わってやっと気づく、凝った作りです。最後まで楽しく読めました。

2018年1月16日火曜日

1167.「財務省が日本を滅ぼす」 三橋 貴明

財務省が日本を滅ぼす理由は、プライマリーバランスの黒字化目標です。

プライマリーバランスとは、簡単に言えば、税収と国費のバランスのことです。つまり、税収より国の支出を少なくしようとするものです。

現在、国債発行残額は865兆円です。発行したのは日本国政府で購入したのは殆ど日本の金融機関です。

つまり、債務者は政府で、債権者は金融機関(=預貯金者である国民)ですが、財務省はこの「政府の借金」を「国の借金」と言い換えて、国民一人あたり約688万円の借金と洗脳しています。本当は国民一人あたり約688万円の貯金とでも言うべきなのに。。。

そして、「国の借金」を税金で返すしか道がないとだまし、消費税を上げ、公共投資を削減しようとします。

しかし、そもそも国民の預貯金を国民所得の配当たる税金で返済する必要はありません。

さらに865兆円の約3分の1は日本銀行が買い上げたために実質的には相殺され、かつ、対外純資産が世界最高の約300兆円あるため、実際の政府の借金は300兆円程度しかありません。

そして、これも日本銀行に紙幣を発行させるか、政府が500円硬貨を発行すれば解消してしまいます。

それにも関わらずこれまで公共投資を削減してきたことで、トンネルは滑落し、防波堤で津波を抑えきれず、衣料・介護費は削減されています。

デフレ時代には民間は投資を抑えてしまうので、公共投資を増大させ需要を上げるとともに貨幣価値を下げ、GDPを伸ばすべきではないでしょうか。

そのためにも、プライマリーバランスの黒字化目標を破棄すべきと思いました。

2018年1月15日月曜日

1166.「見る見る幸せが見えてくる授業」 ひすいこたろう

実は、年収が300万円あれば、世界のトップ1.67%に入るお金持ちだそうです。そんなお金持ちがいっぱい生活している国、日本。

世界水準でみれば恵まれた生活を送っているのに、不満を口にする人は多いです。

それは、「不幸メガネ」をかけて世界を見ているから。

本書は7つの授業という形式で、読者のパラダイムを変え、不幸メガネを外してくれます。

そして、「幸せメガネ」を通して見る世界はとても美しい場所です。

後は、幸せメガネをかけ続ける習慣を身につけるだけです。

2018年1月11日木曜日

1165.「そっと無理して、生きてみる: 百歳先生の人生カルテ」 高橋 幸枝

先日、82歳のプログラマー若宮 正子さんの本を読みましたが、本書はさらに20歳上回る100歳の医師高橋 幸枝さんの本です。

高橋さんが100歳になってわかったことは、
「悩んでいるヒマがあったら行動する」
だそうです。
同じことを言う人もいますが、100年生きた人が言うと重みが違います。

著者は80歳になったときに絵画を始めました。
絵画を始めた理由は、子供の頃、苦手だったからだそうです。

苦手なことを始めて言えることは、「張り合いがでる」ことだそうです。苦手なことは少しずつ上達してほめられるので飽きることがないからです。

平均寿命近くから始めましたが、気付いてみれば20年もやっていることになります。正に「始めるに遅いということはない」を地で行っています。

私も苦手なことを始めようと思いました。

2018年1月10日水曜日

1164.「半百の白刃(下) 虎徹と鬼姫 (講談社文庫)2017/7/14 長辻 象平

下巻は、セクシー、敵討ち、由比正雪の埋蔵金、伊達家のお家騒動といった伝奇小説になっています。

長曽禰興里が一流の刀工となっていく伝記小説を期待していたのですが、実際はフィクション満載の伝奇小説でした。

つまらなくはないのですが、どこまでが史実でどこからがフィクションなのか分かりません。

恐らく殆どフィクションなのではないでしょうか。

2018年1月9日火曜日

1163.「整理整頓をしない人ほど、うまくいく。―超一流だけが知っている「本質」の思考法」 中山 マコト

著者が考えるビジネスをうまく行うためのヒント集です。

ビジネス書の多くは、的確な要因分析が期待できず、再現性も限りなく怪しいので、ビジネス書ではなく小説を読もうと提案しています。

そういう本書自体がビジネス書じゃないかとツッコミを入れたくなるほどの自己否定。

とは言え、「オフィスは持つな」「ホームページにアクセスを集めるな」「フィードバックを恐れない」など、なるほどと思ったアイデアがあり、参考になりました。

2018年1月5日金曜日

1162.「60歳を過ぎると、人生はどんどんおもしろくなります。」 若宮 正子

著者は現在82歳。

60歳で銀行を定年退職したときに、社会との接点が無くなると考えた著者は、家にいながら外部と交流できると聞いたパソコンを購入しました。

パソコン通信でコミュニティとの交流が拡がり、頼まれてはパソコンの使い方を教えているうちに、プログラミングまで覚えて、iPhone用のゲームを自作します。

2017年には、アップルのWWDCに招待され、82歳のiPhoneアプリ開発者としてCEOのティム・クックから紹介されました。

若宮さんがパソコンを始めた頃は、ウィンドウズ95もない頃です。コンピュータを学ぶのにかなり苦労したといいます。

60歳過ぎても好奇心を失わず、新しいことに挑戦する姿に敬服します。


2018年1月4日木曜日

1161.「小池百合子氏は流行神だったのか: これでよいのか、現状の日本」 加瀬英明

タイトルから、小池百合子氏を論説する本かと思っていましたが、実はエッセイ集でした。

期待していた小池論は、わずか6ページ。その位のページ数で、日本の政治、文化、伝統、歴史などについて語っています。

特に、著者がオノ・ヨーコさんのいとこだと知って、驚きました。

オノ・ヨーコさんが若い頃美貌で鳴らし、性的に奔放だったことや、はじめはメチャクチャな前衛作品を創っていたのが年月を経るうちに前衛芸術の大家となってしまったことが面白かったです。

期待とは異なりましたが、楽しく読めました。