2019年2月27日水曜日

1340.「日本のIT産業が中国に盗まれている」深田 萌絵

IT分野で中国、韓国の後塵を拝しているように言われるのは、技術開発に遅れを取ったからではありません。

日本の技術を盗まれたからです。そして、盗んだ技術には開発費がかかっていないから製品を安く売ることができます。さらに共産党が資金援助も行うので、価格面で日本企業が勝てるはずがありません。

そうして、日本企業は経営破綻し、シャープ、東芝メモリーのように今度は企業ごと買い取られます。それどころが、奪われた技術は兵器に転用され、その兵器は日本に向けられます。

このままでは、経済、軍事ともに危ないです。

しかし、日本は知的財産の流出や盗作にあまりに無防備です。

早急にスパイ防止法などの法制度を行い、日本の技術が奪われないようにすべきだと思いました。

1339.「オウム真理教元幹部の手記」 富田隆

著者は、オウム真理教の元幹部でしたが麻原彰晃直近ではなかったそうです。

そのため、著者は詳細を知らされないまま松本サリン事件に加担してしまい、懲役17年の実刑判決を受け、出所しました。

著者によれば、麻原は霊能力を持っていて色々と不思議なことを起こせたそうです。しかし、人格は最低でした。悟りを得ることと、高い人格は関係がないと述べています。

また、悟りを得ても幸福とは限らないそうです。キリストは殺され、釈尊は食中毒で亡くない、覚者と呼ばれた多くの人が癌などの病で亡くなっているのがその証左です。

オウムの科学班は世間の認識とは異なり、ガラクタしか作れませんでした。やることなすこと間が抜けていました。ただ、たった一人の天才科学者、土谷 正実が毒ガスの開発に成功してしまったことが悲劇を生みました。

オウム真理教の内実が実によくわかる一冊です。

2019年2月26日火曜日

1338.「現代ニッポン論壇事情 社会批評の30年史」 北田暁大、栗原裕一郎、 後藤和智

本書執筆のきっかけは、内田樹氏が著者達の年代を「日本最弱の世代」と呼んだことに怒りを覚えたからだそうです。

文中でも何度も内田氏を批判していますが、余程、内田氏が好きで、認めて欲しかったのだなと思いました。

自分たちが最も正しいという立場で左翼の論説者達を批判するという内容です。読んでいてあまり得るものがなかったのですが、精神修養として無理して最後まで読みました。

私にとっては、殆ど生産性のない本でした。

2019年2月25日月曜日

1337.「亡国の移民政策~外国人労働者受入れ拡大で日本が消える~」 坂東忠信

国連人口部の「移民」の定義は、「出生あるいは市民権(主権)のある母国を離れて1年以上外国に居住している人」です。

その定義によれば、平成30年6月末時点で263万人の移民が日本に存在しています。

最近は、「日本国民の人口が減少しているのだから、もっと移民を受け入れようよ。」という風潮が強いです。「日本より貧しい国から移民を受け入れることで、貧しい人達を助けていこうよ」というニューマニズムの声には反対しにくいです。

しかし、裏返せば、貧しい移民は日本の賃金を低下させるとともに、日本人から雇用を奪っているということになります。

日本語教育に沢山の予算が割かれ、突然やってきたにも関わらず社会保障にはタダ乗りされた挙げ句、その補填のために増税されます。

そして、日本に溶け込めずに同民族で居住地をつくり、池袋や川口のような地域が生まれていきます。新大久保や川崎のような日本人との紛争が増加するおそれがあります。

経団連におもねった安倍内閣の最悪の法改正。じわじわと日本を蝕むこの制度を早く改正する必要があると思いました。

2019年2月18日月曜日

1336.「夢を売る男 」 百田 尚樹

牛河原は丸栄出版の敏腕編集部長。次々と新人作家を発掘して本を出版しています。

というのは見せかけ。
出版したいという人間に「ジョイントプレス」という言葉で匠に惑わし、著者から200万円を出資させて本を出版し、その殆どを利益としています。

とても胡散臭い話なのですが、次々と引っかかっていきます。自己顕示欲を満たすべく冷静さを失ってしまうからです。

その本は売れるはずもなく、次々と絶版になっていきます。しかし、著者達は騙されたことに気づきません。なぜなら、出版したいという夢は叶っているからです。

皮肉な話ですが正に「夢を売る男」。出版界の裏事情が分かって背筋が冷たくなりますが、結末は気が利いていて気分よく読み終えました。

2019年2月15日金曜日

1335.「知りたくないではすまされない ニュースの裏側を見抜くためにこれだけは学んでおきたいこと」 江崎 道朗

アメリカ政治の本音を語る本です。

アメリカ政府も一枚岩ではなく、共和党と民主党では政策が大きく異なります。

マスメディアが報じるアメリカは、民主党的なリベラルな話ばかり。だから、大統領選挙ではヒラリーが圧倒的に有利と報じられました。そして、それしか情報源を持たない日本のメディアはトランプの当選を全く予想できませんでした。

著者は、「対米依存をいかに減らしていくのか」を議論するより、「敵に回すと厄介な同盟国」を目指すことが大事といいますが、正にその通りだと思いました。

ただ、それができる見識と能力を持った政治家が今の日本に存在するのでしょうか。

2019年2月12日火曜日

1334.「未来年表 人口減少危機論のウソ」 高橋 洋一

日本の人口減少による経済破綻論が嘘であることを数字で立証している本です。

人口減少についてよく目にする機器は、「市場が縮小するから企業業績が悪化する」「現役世代の高齢者を支える負担が増大する」といったものです。

市場縮小といっても、企業のシェアを市場の数パーセントに過ぎないため大した影響はありません。本当は企業が市場に適応できないことをわかりやすい人口減少のせいにしているに過ぎません。

現役世代の負担増というと、一人の高齢者を支える人数が減るので一人あたりの負担が増えるというものですが、単に給与が上がれば済むことですし、上がらないとすれば年金の額が少し減るというものです。

本当の危機は人口減少ではなくデフレなのですが、自治体合併によるポスト減を恐れる地方公務員と、危機感を煽ることで消費税率を上げたい財務省が人口減少危機論を広めているようです。

2019年2月4日月曜日

1333.「猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言」 猫組長、 西原 理恵子

経済書より面白いのに、経済書より経済の実態が分かりました。

著者の裏社会のシノギが現実の金融にどう影響していたのかが面白いです。ミクロ経済とマクロ経済のつながりがよくわかります。

石油、金融、人身売買などの裏話は、これまで聞いたことがない話ばかりです。

臓器移植など、ぞっとする話も多いです。

自分が生きている世界のすぐ隣にこういう世界があり、そこで大きな金や違法な取引が日常的に行われていることに非常に驚きました。

2019年2月1日金曜日

1332.「米中「AI大戦」」 兵頭 二十八

米国と中国のAI分野における戦争だけの話ではなく、最近の兵器や情報戦など現代における様々な戦闘の形式を解説しています。

中国の戦略でいえば、兵器にいくら資金と技術を注入しても、これまでの技術の蓄積がないため、米国には追いつけません。そこで技術の蓄積が不要なAIといった情報分野に人材と資金を投入しているとのことです。

何しろ軍事予算にいくら使っても文句は言われないし(そもそも、共産党は権力を握り、人民を管理している)、就職難のため仕事がない若者をいくらでも投入できます。

その結果、現在ではAI分野では米国と勢力を二分するようになり、他国の追随を許さないそうです。

AI分野で出遅れてしまった日本はどちらかの体制に組み込まれざるを得ないのですが、どちらの体制を選ぶかは明らかだと思います。