M君というので、高校生位の話かと思って読み始めましたが、驚いたことに45歳男性の話でした。彼は、70歳の母と二人暮しでした。ひきこもりは、非常に高齢化が進んでいます。
いじめと父親のネグレクトがM君の精神を破壊しました。
ひきこもりの人の精神状況がよく描かれています。興奮と失望が交錯し、突如パニック状態に陥ります。
少し良くなったかと思うと前より悪くなるなど、全く順調に回復しません。周囲はM君に振り回されます。
M君は生活保護を受けて、徐々に生活を立て直していきます。長引くデフレと生活保護の不正受給により、本当に必要な人が保護を受けられなかったり、減額されていきますが、生活保護は本当に大事な制度だとおもいます。
皆が平均して豊かな、一億総中流が実はやさしい社会のように思いました。
第一章の入門編は、割りと中立的立場で集団的自衛権を説明しているように思いました。
第二章の対話篇は、偏った意見に思います。
集団的自衛権の要否について、個別的自衛権に属するような問題点で集団的自衛権の必要性を説いたり、友達が目の前てヤクザに殴られているのに助けないのかという、似ているようで異なる事例に落としこんだりして、ミスリードを招いているように思いました。
私の感想では、現状でも、日本は国際法上の権利として、個別的自衛権も集団自衛権を保有していると理解しました。
しかし、憲法9条1項の「国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」から、個別的自衛権は行使できるが、集団的自衛権は行使できないと理解しました。
なぜなら、自国が攻撃された場合は、「国際紛争」を超えた国家存亡の危機であり、同盟国が攻撃された場合は、「国際紛争」の一つと考えたからです。
とても面白かったです。
私自身、かつて信じていた、「競争戦略」「選択と集中」「プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント」などが、実は殆ど効果が無いということが分かりました。
説明しやすく、納得させやすいために広く普及したということでしょうか。
「なぜビジネス書は間違うのか」という本で、「ビジョナリー・カンパニー」という本で紹介されていた企業の殆どが10年後には輝きを失っていたことが指摘されていました。
コンサルタントは、クライアントの従業員を「資産」として扱い、監視、評価、標準化、最適化して、職場から人間性を奪い、不幸に陥れると思いました。
コンサルティング会社を入れると、書類ばかり残り、従業員の考える力を奪ってしまい、経営戦略は企業買収しか考えられなくそうです。
R社は、創業者が去った後、M社のコンサルティングを受けていたという噂がありました。その時期から社内が急速に殺伐としていった気がします。今、R社は株式公開の予定ですが、その目的は企業買収の資金だそうです。考える力は健在でしょうか。
ゼロから宗教を立ち上げ、教団の教祖になるためのマニュアルです。
教義の定め方から、信徒の集め方まで非常に詳しく書かれています。
もちろん、真剣に新興宗教を作るという目的ではなく、既存の伝統宗教の成立過程や、新興宗教の神秘性のタネを暴露しています。
- 宗教の目的は人々をハッピーにすること、
- 宗教に大切なのは「半社会性」、
- 教義は簡略化する、
など、宗教の秘密が分かり易く語られ、非常に面白いです。
週刊新潮に連載されていたコラムを集めた書籍です。
著者が日常で触れた出来事に、哲学者という観点から考察を深めています。
文中にあるように、著者はパソコンを使用しないし、歴史も深く調べません。テレビや週刊誌で知った情報に基いて深く内省していきます。
そのため、一次情報が正しくないと感じることも多くあります。
しかし、著者自身は、事実よりも思索が重要と考えているようで、事実には拘りません。
哲学というのものそういうものかもしれません。考えることに多くの時間をかければ、調べる時間は自ずから削られていくでしょう。
「哲学とは、日常に風穴を開ける唐突な思考」と定義するだけあり、自分では当然と考えていたことに気付きを与えてくれました。
昭和初期を思わせるレトロな文体が独特の気味悪さを醸し出しています。
ミステリーとホラーが融合したような5つの短編からなります。
殺人者にはいずれも良心というものが欠落しており、淡々と語る語り口に狂気を感じます。
作中、絞殺のうえ、首を切り、手首を切り落とすという、佐世保女子高生殺人事件を彷彿とさせる殺害方法がでてきます。この殺人者も人を殺すことにためらいも罪悪感もありません。
小説中の不気味さが現実社会に滲み出しているような感覚に囚われました。
福島原発事故の後、原子力発電に対して否定的になりました。
「そもそも人命が第一だし、原子力発電が安いといっても、事故の賠償金を払っては火力発電と変わらない。そして、原子力発電所をすべて止めても、火力発電で実際、日本の電力需要は賄えているではないか。」と、思っていました。
しかし、248.「文系のためのエネルギー入門」 リチャード・A・ムラーを読んでその考えが変わりました。現状では原子力がエネルギー効率が飛び抜けていいという現実があります。
そして、本書で経済的にも安全保障上でも、現時点で原子力発電に代替できるエネルギーが見当たりません。
1kwhあたりの発電コストは、原子力が8.9円(福島原発の賠償金込み)に対して、石油火力発電が35.5円と約4倍です。
そして、石油輸入に伴い、原油価格高騰、貿易赤字拡大、エネルギー供給の不安定化、中東紛争への介入、協同的自衛権の容認という問題を引き起こしています。
大東亜戦争の原因の1つに、エネルギー共有問題がありました。国家的危機を防ぐためにも、原子力発電を注意深く利用し、早期に代替エネルギーを開発することが必要だと思いました。
2013年12月の出版であり、2012年と2013年に韓国で起きた事件を中心に韓国の近況を解説しています。
どの話もとても面白いです。
特に、朴槿恵大統領の話は面白いを通り越して、呆れます。
また、「日本の左翼は、マルクス主義の惨敗(ソ連・東欧ブロックの崩壊)を見るや、運動エネルギーを、環境、原発、沖縄、韓国などの方面に置き換えた。そうした意味で、慰安婦問題とは、日本国内での「理念戦争」なのだ。」という見解は、非常に腑に落ちました。
2002年度版の「ひきこもり」救出マニュアルを理論編と実践編に分冊した、実践編です。
Q&A方式で書かれており、質問内容は非常に現実的です。
また、解答も多くの実体験から得られた実用的なものばかりです。
対応しきれない行動の裏に隠された心理も説明しており、とても勉強になります。
10人の高校生が拉致され、人狼ゲームを現実にさせられます。
人狼ゲームとは、ヨーロッパ発祥の伝統的パーティゲームとその亜種の総称です。
日本では「汝は人狼なりや?」という名前でも普及しています。
〈ゲームの概要〉
1 村の中には村人に扮した人狼が混ざっている。
2 人狼は夜になると一人ずつ村人を殺す。
3 昼は全員で相談し、人狼だと思う相手を多数決で一人選び、処刑する。
4 すべての人狼を処刑すれば村人の勝利。すべての村人を食べつくせば人狼の勝利。
閉鎖された空間で拉致された人間達がゲームのルールに従い殺しあうというパターンは多いですね。
本書もそのパターン。
設定にあまり目新しさはありませんでした。読みやすくてすぐ読めました。
結末も面白かったですが、少し「王様ゲーム」に似てたかな?