「トピカ」とは、トポス集のことです。
「トポス」とは、思考の内容ではなく、発想の型のことです。
著者は、他人の優れた考えを収集し、情報として蓄積して、それを別の場面で自分の思考として「利用」すること、これを意図的かつ大規模にやることを提案しています。
他人のまとめた論法集を利用するのではなく、自分だけの独自のトピカを作る。人間にはそれぞれ異なった「議論的」気質があって、それがある論法を偏愛したり、別の論法を忌避したりするからとのことです。
とても実用的な方法だと感じました。
著者は、小学4年から中学1年まで、シンガポールの学校に通い、高校時代ばブラジルで学校には通わず、独学で大検に合格しました。
大学は、慶應義塾大学経済学部通信教育課程を卒業し、その後、東京大学大学院経済学研究科博士課程を修了して、准教授になりました。
予備校に通うどころか、高校にも行かずに独学で通したことに関心しました。
本人に意思さえあれば、独学でも学力を向上することができる。さらには、独学で学習できるということは受け身で暗記するのではなく、自ら、課題設定し、計画できるということです。
学べる方法は、いろいろあると実感しました。
学校や人間関係から逃げまくっていたにも関わらず、思うように生きている体験談です。
汎用性があると思わないほうがいいです。4校も転校したり、アメリカの大学に留学したりと、かなり特殊な体験であり、お金をかけてもらえる環境にありました。
アメリカの大学に通えなくなるレベルの英語なのに、英語のセミナーで稼ぐという度胸と行動力もあります。
全編、集合研修における導入話のようで、興味を沸かせますが具体的な内容に入って行きません。
「逃げることで、次々と別のチャンスに出会い、その中で好きなことだけやって生きてこれた」という内容を繰り返し書いている気がしました。
特殊なケースだから真似できませんが、そういう生き方もできるのかと心は軽くなります。
日本の戦争について、台湾出身の著者から見た歴史観です。
日本人により書かれたものより客観的だと思います。
1. 日清戦争は、清国が李氏朝鮮を占領しようとしていたのを防ぐためだった。
2. 日露戦争は、ロシアの満州占領と朝鮮半島侵略を防ぐためだった。3. 日露戦争の勝利が、米国など白人社会の反発を買い、日米戦争の一因となった。4. 三光とは、槍光、焼光、殺光という意味の中国語であり、中国語を日本軍のスローガンにすることはおかしい。5. 南京大虐殺で30万人が犠牲となったというが、南京の人口は20万人だった。6. 朝鮮人の従軍慰安婦は、約18万人というが、200万人の軍隊に帯同させるには多すぎる。7. 済州新聞の調べでは、済州島で慰安婦の話を知っている人がいなかった。
知らなかったこと、誤解していたことが色々と分かり非常に勉強になりました。日本国民として、自国の歴史に自信が持てます。何度も読み返す価値がある本だと思いました。
最近の科学に関する論点が詳しく解説されていて、よく分かります。
10のテーマについて賛成論、反対論、課題、思考手順などが示されます。これをもとに議論をして、思考を深めるという作りになっています。
大学の教科書として作られており、特定の解答は提示されていません。個人が課題を考えて一人で思考を深めるには限界がありますが、よい思考トレーニングになるでしょう。
人は、他の人のために生きているのであり、他の人から必要とされた時に幸せを感じる。
そして、目の前にある「永遠に続く今」だけに幸せに生きる「覚悟」をして取り組む。
大人は子供に、「もの」を残すのではなく、「生きる力」を養うための「記憶」を残す。
「記憶」とは、苦しいながらも、一生懸命子供を育てる姿を見せること。
これがこの本のメッセージと思いました。真実かどうかわかりませんが、こう考えると、生きることが楽になるように感じました。
先が気になりどんどん読み進めました。
期待と失望、不安と安堵が入り混じった素敵な作品です。
虐めを受けた少年と心に傷を持つ少女が紡いだ絵本が3つの小さな奇跡を起こします。
貧しさと虐待、祖母の死と妹の誕生によりそれそれ失われるもの、独居の喪失感など、普通の人に起こり得る日常と、その当事者達の心情がよく描かれています。
もともと、「Story Seller」という複数の作家の作品をまとめた本で発表されたSide Aに、Side Bを書き下ろして単行本化した本です。
成功者の周囲の人間の善良なる悪意というものを感じました。
作家である彼女に押し寄せる、嫉妬、妬み、やっかみ、負け惜しみ。これらが一度に押し寄せたため、彼女の精神が破壊されます。
「致死性脳劣化症候群」。
思考した分だけ生命を削られる奇病に最も思考が必要な職業である作家の彼女が羅患します。
Silde Aは、読んでいてつらすぎました。
そのSide Aと対をなすSide Bを読むと、そのつらさが少し薄らぎます。しかし、読み進めるうちに違う種類の、現実的なつらさがじんわり染みてきます。
その中でも、最後に希望が見いだせるのが、せめてもの救いです。
日本人と仲良くしたいと願っている韓国人は、まず韓国式の「仲良しになる方法」をぶつけるそうです。いわば、なれなれしい態度をとろうとするのですが、そうすると日本人はサッと身をかわします。
そして、日本人は、その韓国人に一定の距離を置くようになります。
そこで、その韓国人は、「やはり日本人は私たちを差別している」と思うのだそうです。
この根っこにある民族の感性の相違により、日本人は韓国人に対し無関心となり、韓国人は日本人に対し憎しみを抱くのではないでしょうか。
そうだとすれば、これはなかなか解決しない根源的な問題に思えます。
「レジーム」とは、政治・経済の体制のことです。
現在は、デフレであるにもかかわらず、小さな政府、グローバル化、雇用の流動化、消費増税といったデフレを促進させる「インフレ・レジーム」を推進しています。
2012年の出版時点では、著者は「インフレ・レジーム」が「デフレ・レジーム」に転換されることに期待を持っていました。
しかし、最近のコメントを見ると、「デフレ・レジーム」への転換について絶望しているようです。
引き続き、移民政策、TPP参加、スマートワーク、法人税減税、配偶者控除廃止といった、価格競争による人件費値下げというデフレを進行させる政策ばかり進められているからです。