2017年2月22日水曜日

1106.「知の進化論 百科全書・グーグル・人工知能」 野口悠紀雄

知というものについての手軽な読み物です。

古来、知識は秘匿されていました。記録に残されず消滅させるか、口伝で伝えるかするものであり、それにより知識が独占され神秘性が増しました。それが権威者の優位性となっていました。

それが印刷により公開されることになり、一般の人でも知識を得られるようになりました。そして、知識を売ることでお金を得るようになりました。

インターネットの出現でこの構図が激変します。知識が無料で得られるようになったのです。人々は無料で知識にアクセスできるようになりました。

ところが、インターネットの情報は算術級数的に増加し、事実でない情報も多く含まれるようになりました。

これを検索できるようにし、広告と組み合わせることで、無料でサービスを提供しながらも巨万の富を得るというGoogleモデルが世の中を一変させたのでした。

そして、AIの登場ですが、AIは人類に繁栄をもたらすのか、それとも破滅をもたらすのか。

著者は、知識を得る楽しみは人類から奪われないと楽観的ですが、どうなるのでしょうか。