2016年10月26日水曜日

1031.「世界のニュースがわかる! 図解地政学入門」 高橋 洋一

地政学というより、帝国主義の世界史といった内容です。ランドパワー、シーパワといった用語も出てきません。

戦争によって中国とロシアがいかにして領土を拡大していったかが分かります。

個別的自衛権と集団的自衛権の戦争回避に対する影響の著者の試算が勉強になりました。

  • 個別的自衛権のみの場合、戦争が起こる可能性は、2%
  • 個別的自衛権と集団的自衛権を組み合わせた場合、戦争が起こる可能性は、1.6%

集団的自衛権を組み合わせると戦争の可能性が0.4%下がりるそうです。

民主主義国家は戦争を嫌います。国内で戦争反対の意見も拮抗するからです。
一方、独裁国家は戦争に躊躇しません。国家元首の意思のみで戦争を起こせるからです。
そうなると、すぐ近くに2つの独裁国家がある日本は、常に戦争の脅威に晒されていることになります。

技術がない国は、資源と市場を求めて、新たな土地を求めます。それがロシアと中国に見られるようです。

日本は、技術力があるため、領土問題がある地域を除いて、現在の領土を拡張しする必要がないと思います。技術があるので、単に貿易をすればよいだけですから。

そして、過去の満州、台湾、韓国の併合は日本からの持ち出しが多かったことを考えても、戦争による領土拡大は日本にとっては、ほとんど利益がないものと思われます。