2017年8月22日火曜日

1305.「ほんとうの憲法: 戦後日本憲法学批判」 篠田 英朗

日本国憲法に対する憲法学者と国際法学者の論争が中心に描かれています。どういった論争を経て現在に到っているかが分かります。

憲法学者の主力は殆ど東京大学法学部出身で、宮沢俊義教授の弟子達です。この方は自衛隊も集団的自衛権も違憲との教えなので、安保法制改正のときの憲法学者は殆ど違憲との見解を示しました。

国際法学者は条約と憲法では条約が優先されると考えるので、憲法9条より国連憲章51条を上位に考え、国連憲章51条で認められている集団的自衛権は憲法9条の拘束を受けないと見解を示します。

私は、国際法学者の考えに賛成です。

ただ、本書からは日本国憲法の本質は見えませんでした。
それは、結局、日本国憲法はアメリカの若者が色々な憲法や憲章からコピペして作ったものなので、日本の国体に沿ったものではなく、統一した思想がないと思われるからです。

そして、翻訳もぎこちないため、条文に解釈の余地が与えられています。そのため、自衛隊にしても合憲なのか、違憲なのか意見が分かれてしまうからです。

疑義を生まない明快な憲法に改正すべきだと思いました。