2017年9月11日月曜日

1316.「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」」 山口 周

現代の企業が直面する問題として、「論理的・理性的な情報処理スキルの限界」があるそうです。その原因は、
1.「正解のコモディティ化」
論理的思考など誰でもできる思考方法が広まったため、皆が正解をだせるようになった。
2.「方法論としての限界」
問題の要因を単純化して解決するアプローチに対し、要因が複雑に変化するようになった。

その結果、「差別化の消失」が起こり、企業はそれでも差別化を求めるため「早さ」と「安さ」に走り、利益の架空計上や従業員の過労死が起こると指摘しています。

経営を「クラフト」「サイエンス」「アート」という3指標に分類したところが面白いです。

マッキンゼーが引き合いに出されていますが、ベテランコンサルタントの経験で売上を伸ばしていたのが「クラフト」。
それだと売上が頭打ちになるので、優秀な学生が簡単なトレーニングでできるように知識を汎用化したのが「サイエンス」。
売上は飛躍的に伸びたが「正解のコモディティ化」でコンサルの成果が上がらなくなってきたため、デザイン会社を買収したのが「アート」。

アップルやマツダなど、最近業績を挙げている企業はアートに強い拘りを持っていることが分かりました。個人としても「美意識」を鍛える必要性があることを痛感しました。