2013年3月15日金曜日

52.「「怒り」を上手に消す技術 」吉田 たかよし

最初に「カッとなる」反応は、原始時代以前から発達している脳の古い部位「大脳周辺系」の仕業。その後の「冷静な」判断は、人類の進化の中で発達してきた脳の新しい部位「前頭前皮質」の働き。そのため、まず「怒りの感情」が現れ、次に「理性的な反応」が起こるそうです。

だから、まず怒ってもいいのです。原始的な脳の信号を無理に遮断して怒らないと、消えない感情が「しつこい怒り」となって残ってしまうそうです。

その時に、怒り方が問題となるのですが、著者は「きちんと怒りを紙に書く」ことを薦めています。紙の真ん中に怒りの対象について、「ミスが多い」など思いつく言葉を書きます。次に、「ミスの原因を共有できていなかった」など原因を書きます。そして、その原因と出来事を矢印でつなぐのです。この矢印を使うという、原因と結果をつなげる作業は、前頭前皮質の活動を促すので、怒りを鎮める働きがかなり強いそうです。

怒ったときに、不要品を捨てると、相手を「始末」する疑似体験できるので落ち着くそうです。

「怒っている人の観察」も有効な手段です。「どういうときに、どんなことに怒るのか」など、何でも気付いたことを箇条書きでメモをすると、今まで気付かなかった「怒り」に関する色々な発見ができます。