2013年10月15日火曜日

148.「いつまでもショパン 」中山 七里

「さよならドビュッシー」の続編。

前作で副主人公だった岬洋介が今回も重要な副主人公。
ポーランドで開かれがショパンコンクールにおいて、
コンテスト、殺人事件、テロが交錯していく。

謎解き自体よりも、コンクールや、ポーランドの政情によって
物語に深みがでている。

前作で著者がコメントしていたように、著者自身はピアノを弾かない。
それなのに、非常に詳しく曲自体、演奏者の心理、コンクールの実情が描かれており、
ピアノを弾かない読者にもわかりやすい。

物語はコンクールの決勝と最終的なテロに向けて集約されていく。
そして、ポーランドから遠く離れたアフガニスタンでの誘拐事件が
物語に感動を添える。

ミステリー小説だが、それに留まらない人間ドラマでした。