2014年2月10日月曜日

248.「文系のためのエネルギー入門」 リチャード・A・ムラー

原子力発電や代替エネルギーについてよく知らなかったので、とても勉強になりました。

一般に太陽光発電が注目されています。太陽光発電の技術は進歩しているものの、まだ不安定でエネルギーロスも多いため、充分な電力を供給できていません。現状では原子力がエネルギー効率が飛び抜けていいという現実があります。風力発電も予想以上に効率がよいのですが、設置場所が限られることと、送電の問題があります。

日本については原子力発電の代わりに天然ガスに移行すべきと提言しています。しかし、これも輸入に頼らざるをえないので、エネルギーの安定確保という観点では問題があるでしょう。

地球温暖化については、殆どの気候変動は温暖化と関係がないと述べられています。不都合な真実でニューヨークが水没するショッキングな場面がありますが、実はこの予想は、今の温暖化のスピードを維持したままで1000年かかることが隠されているそうです。

放射線の危険性についても標記があります。
1つのガン細胞を作るのに必要な放射線量は25シーベルトですが、人間は3.5シーベルト以上の放射線を浴びると半数が死亡するそうです。だから放射線を浴びせて確実にガンを引き起こすことは不可能だそうです。
では、なぜ放射線漏れでガン患者ば増えるのかというと、被曝ではなく、その地で作られた作物を食べ続けるからだそうです。

フラッキングという技術でシェールガスが採掘されるようになり、アメリカのエネルギーが石炭から代替されました。その結果、アメリカは京都議定書を批准していないにも関わらず、二酸化炭素を大きく減らしたそうです。