2014年2月28日金曜日

266.「〈起業〉という幻想 ─ アメリカン・ドリームの現実」 スコット A シェーン

とても面白い本でした。

起業にまつわる神話がデータを基に否定されています。
例えば、アメリカの起業割合は、OECD諸国の自衛の割合で23位であり、日本の16位より下位です。

シリコンバレーのあるカリフォルニア州は、新企業設立割合が全国平均を下回っています。

新たなビジネスの殆どは、建設業や小売業のようなありきたりの産業です。その理由は、自分が働いている産業でビジネスを始めるからですが、これは、失敗しやすい産業でビジネスを始めることで、自分自身を失敗に追い込んでいます。

これまでの成功する起業のイメージは、自分がそれまで従事していたビジネスで、少額の資本により個人商店からスタートし、規模が大きくなったら、株式会社に変更するというものでした。
しかし、この方法は、利益率が低く、失敗する可能性が低いそうです。
成功するためには、成長する産業で1,000万円以上の資本金で、始めから株式会社としてスタートすることです。

起業を成功させるためには、

  • マーケティングを早期に開始する
  • 資金繰りを重視する
  • 価格競争せず、サービスや品質など他の面で競争する
  • 単一の製品や市場に集中する
  • アイデア特定→ビジネスプラン策定→アイデア評価→資金獲得→製品・サービス開発→マーケティングと適切な手順を踏む
また、これも意外でしたが、45歳から54歳の間で始めたビジネスは、35歳以下よりも業績がいいそうです。