前作では、自分の状況を客観視して、受験というものを俯瞰したうえで、東大合格の方法論を確立していました。正直、舌を巻きました。
この本を読んでわかったのは、鬱病のために自己に問いかけることが多かったため、自己を深堀りできたのだということです。また、勉強に集中できたのも、鬱病や失恋、友達関係から逃れるのに勉強が最も適していたからでした。
彼女は、東大に合格しても、それだけでは決して幸せではありませんでした。ただ、同級生に鬱病の人が沢山いたので安心はできました。
しかし、卒業時には就職も進学も決められず、ニートになります。そんななか、母親のやさしい対応と、自分に合った医師によって徐々に回復していくのでした。
この本は、自分の鬱病体験を赤裸々に語っているので、読んだ人は、鬱病の人の理解できない行動が少し分かるようになると思います。
また、鬱病の人は、どうしたらいいのか分からない自分の感情が鬱病の人にとっては、特別なものではないと知って、安心するのではないでしょうか。
落ちのあるマンガなので、気楽に読めますが、最後に感動してしまいました。母親の愛情とは、かくも深いものだと感銘を受けました。