著者の作品には、捨てられて移民の話がよく出てきます。本作でも、ブラジル移民二世の耕一が登場します。
ブラジルでも日本でも同胞と見做されない耕一は、いじめを繰り返す職場の先輩を殺めてしまいます。偶然だったのですがそのことで裏の顔を持つこととなり、その影を理由に柿沢にチームを追放されてしまいます。
まともな仕事につけない耕一は、柿沢から教わったギャングのテクニックを使い、強盗を繰り返すようになります。
そんなある日、馬鹿で破天荒なコロンビア人のDDと出会い、その天真爛漫さが徐々に耕一を変えていきます。
男性が付き合う女性によって、新たな物の見方や、相手を思いやる気持ちが生まれていくことをサブテーマにした作品です。