2015年6月11日木曜日

655.「日本が在日米軍を買収し第七艦隊を吸収・合併する日」 宮崎 正弘

強烈なタイトルですが、このテーマを全編で論じている訳ではありません。核開発が事実上不可能な日本が、中国の軍拡に対してどのように対応していくかのオプションの1つです。

著者は、「兵器とエネルギーの自主開発こそが自主独立を支えるのである」と主張しますが、正鵠を得ていると思います。戦争を仕掛けるのではなく、戦争を仕掛けられないようにするために、これらが抑止力となります。

ISILによる日本人人質殺害事件で日本の平和路線は全く効果がなかったことが明らかになりました。それどころか、現状の憲法では、必要な情報収集もできず、特殊部隊を救助に派遣もできませんでした。できたことは、ヨルダンに囚人の開放を期待することだけでした。

軍事力を米国に頼りきって70年が経過した結果、法的にも能力的にも彼らを助けることができない国家になったしまったのです。

台湾の李登輝総統は、
「デフレは単に経済的な問題ではなく、日本の政治的指導力の問題だ。日本は米国依存と中国への精神的隷属から抜け出さなければ、今の苦境を脱することができない。」
と語ったそうです。

「現代日本は脱中国、脱朝鮮を外交の中枢に置き直す必要がある。」との著者の主張は同感です。そうして、ロシア、インド、台湾、トルコなど他のアジアの国々を強調していくことが重要と主ました。