2015年7月2日木曜日

671.「平和のための戦争論: 集団的自衛権は何をもたらすのか?」 植木千可子,

集団的自衛権は国連憲章第51条で認められた権利で、日本にも勿論あります。

日本はこれを憲法第9条を理由に留保してきました。しかし、昨今、憲法の解釈を変更して、集団的自衛権を行使できるとしようとしています。

反対派は、集団的自衛権を認めることで他国の戦争に巻き込まれると主張しています。そして、集団的自衛権は9条違反だとしています。ただし、集団的自衛権を9条違反とすると、個別的自衛権も同じ理由で9条違反となってしまい、日本が直接攻撃された場合も武力行使できないという解釈になってしまいます。

賛成派は、集団的自衛権を認めることで他国との相互協力が得られ、戦争の抑止力になると主張しています。ただし、ほとんどの憲法学者が集団的自衛権を憲法違反と判断しています。

日本国憲法が制定された当時、憲法を作成したアメリカにとって、一番脅威であった日本を骨抜きにした以上、世界中に他に脅威となる国がありませんでした(実はソ連に裏切られていましたが)。だから、9条を制定することができたとも言えます。
しかし、現在、アメリカにとっても、アジア諸国にとっても脅威となる国が出現しています。

その状況下で、どうやって日本を守るのか。
「集団的自衛権」でアメリカの軍事力に頼ると、他国の戦争に巻き込まれる可能性があります。
「永世中立国」となり脅威に対抗できるまで軍拡すると、経済を圧迫する可能性があります。
集団的自衛権も容認せず、軍拡もせず、「話し合い」で解決していくと、サンゴが奪いつくされるようなことが再現される可能性があります。

日本にとって、可及的な選択が迫られています。