本書を読むまでは、青色LEDを巡る訴訟は、日亜化学の二代目社長と中村教授との特許権の帰属に関する争いと思っていました。
しかし、背景には日亜化学の跡継ぎ問題があったようです。つまりは、日本経済界を巻き込んだ壮大なるお家騒動です。
寂しがりやの創業者の妻が被害妄想をふくらませ、長女と結託して全ての財産収奪を図ります。その過程で全く部外者の老婆が長女に取り入り、洗脳して財産を散財し始めます。
病気で全盲になった創業者を監禁して、個人財産や会社の経営権を掌握し、長男や次男を会社から排除したという見立てです。
そして、創業者が見出し、可愛がった中村教授をイジメ抜いて追い出し、金の卵を生む特許権を会社で独占しようとしたという筋立てです。
この話がどこまで本当かは分かりませんが、確かに不審な事柄が多いです。
経営者が健康なうちに後継者を定め、株式なども分割し、体制を固めるべきであったと簡単には言えますが、そうは出来なかったことから、難しいことなのでしょう。