2016年4月1日金曜日

898.「37の病院・医師をまわり 僕はがんを治した」 福島 正伸

著者のガンからの生還記です。

ガンの治療法は、一般には、手術が、抗癌剤か、放射線療法ですが、著者の場合、手術以外に治療法がないと言われました。

声帯のガンのため、手術すると話せなくなり、講演を生業とする著者は世の中に貢献する術を失ってしまいます。

そこで著者は、様々な医師を訪ねて、手術をしないで治す方法を探します。どこに言っても無理だと言われるのですが、どの医師も言うことが違っています。そこで著者は、日本中の医師、それでもいなければ、世界中の医師で、たった1人でも手術しないで治せるという人を見つければいいのだと、次々に医師巡りをします。

そして、37人目に出会った医師に手術しなくても治せると言われ、鹿児島県の指宿で陽子線治療を受けたのでした。そして、著者のガンは消え、ガンから生還したのでした。

ガンからの生還後、著者にとって、すべてが「ありがたいこと」に変わったそうです。著者の過去の著作を読むと、ガン以前でも、すべてが「ありがたいこと」という趣旨のことを言っていますが、頭で考えたこの思想と、実際に死の淵から期間した実感とは、同じ内容でも意味の深さが違うのでしょう。