埼玉県所沢市を舞台にしたミステリー小説です。
あの辺りは土地勘があるですが、大東亜戦争後、米軍が駐留し、街は活気に溢れ、数多くの遊郭があったことを知り、驚きました。
所沢に近年増加したタワーマンションの最上階の部屋にまつわる殺人事件です。2人の小説家を中心に阿部定が所沢に住んでいたという都市伝説の謎が明かされていきます。
犯人はとても意外な人物でしたが、謎解きという観点からは、少しルール違反な犯人設定かなと感じました。
ただ、人間の嫉妬、恨み、性欲などを描くという観点から見れば、犯人の収まりも納得できるものでした。
個人的には、田中加代の半生や心の動きを深掘りしてもらいたかったと思いました。
最後まで一気に、気分悪く、読み終えることができるミステリー小説です。