2017年7月4日火曜日

1188.「電通と博報堂は何をしているのか 」 中川 淳一郎

亡くなられた高橋まつりさんの労働問題をきっかけに、電通と博報堂にスポットをあて、広告代理店業界の内幕を描いています。

電通と博報堂の違いは以下のようなものらしいです。

売上高でいえば、電通が1兆6000億円、博報堂が8752億円と約半分。
給与でいえば、電通が1500万円の人に対し、博報堂が1050万円と約7割。
仕事の強みでいえば、電通が営業力、博報堂が製作力。

電通=客に対する答えは「YES」しかなく、忠義を徹底的に尽くす。
博報堂=客に「できない」と言い、時に冷たい。

ただ、両者にとも残業が長く、100時間は当たり前で、多いと300時間になるそうです。

過重労働の原因は、「明確な正解がないこと」と「競合がいること」。
仕事の基本は「考えること」であるため、何が100点かわからない。そのため、3時間も4時間も会議を続け、「全員で考え抜いたこと」の安心感を求めるようです。

さらに、インターネット広告が過重労働に拍車をかけています。その世界では、サイバーエージェントなどの新興企業の方が実務に詳しいうえに、インターネットの仕事はいつでも修正ができるので、リリース後も仕事が終わらないからだそうです。

そうなると、広告代理店の過重労働問題は解決が非常に難しそうです。