2017年11月22日水曜日

1141.「満月の泥枕」 道尾 秀介


主人公の二美男はどうしようもない男で、読み始めは話に入っていけるかなと疑問でした。読み進めて過去が分かっていくと、どうしてどうしようもなくなってしまったのかが明らかになり、何だか理解できてきました。

アパートの住民から結構好かれている様子から根がいい人間であることが伺われます。

ある不幸な出来事をキッカケに、自分に罰を与えて落ちぶれていった二美男は、義母に疎ましがられた兄の娘と一緒に暮らしています。

二人を中心とした荒唐無稽なドタバタ劇が演じられます。

子どもがいることは当然で、時に疎ましく感じる親たち。しかし、子どもを突然失ったときにそのかけがえなさに気づき後悔するものの、もう元には戻れない。

子どもを育てることは、実は親を幸せにすることだと気づかせてくれました。