2013年9月28日土曜日

136.「キャリア教育のウソ」 児美川 孝一郎

キャリアデザイン学部の教授がキャリア教育を否定する本。
よく大学がこの本の出版を認めたなと思うとともに、
この学部で教えている内容は大丈夫なのと心配になりました。

他人の著作と官公庁の資料を集めて自分に
都合よく解釈した大学生の卒業論文のような内容です。
たまたま連絡がついた4人の教え子の卒業後の現状から
現代の若者の就業像を一般化しようとしていますが、
サンプルが少なすぎるし、学部も4人とも文学部教育学科なので
偏りがあります。

フランクリン手帳やキャリアプランの効果に懐疑的ですが
どちらも体験したことなく、研究者としての姿勢が疑問です。
その効果についても「~だろうか?」と疑問型でまとめながら
否定的感情を匂わすという卑怯な手段を多用します。

「キャリア教育のウソ」と断罪するのであれば、
自ら多面的かる大量のデータを収集すべきだと思いますが、
他人の書籍でお手軽に済ますので、本書の主張が薄っぺらに感じられました。