義賊(?)である山猫がマフィアの構想の裏に潜む策謀を暴くハードボイルド小説。
渋谷に出現した自警団「ウロボロス」
最初は、渋谷のトラブルを解決するだけでしたが、徐々に暴力団の粛清へと行動を過激化します。
そのウロボロスの行動を偶然、盗聴することになった、魔王こと中学生の真生。好奇心から、勝村、そして山猫を巻き込んでいきます。
よく練られた構図にどんどん引き込まれます。物語の主題と同時に真生が成長していく姿が描かれる、スリリングな冒険小説です。
著者は心霊探偵八雲をはじめ、さまざまなシリーズを書き分けそれぞれ成功させています。
今回は、天命探偵真田省吾や確率捜査官御子柴岳人のキャラクターが少しでききて、著者の世界が徐々に構成されていっています。
著者の作品全般に言えることですが、事件の被害者に対する
優しさが感じられるので、最後にはほっとします。