テレビ番組の小説化の多くは、失礼ながらあまり著名ではない作家の手により
番組の設定がそのまま投影された番組のダイジェスト版となります。
しかし、本作は「催眠」「千里眼」というベストセラーを持つ松岡圭祐氏が、これまで培った心理学、格闘術、兵器、及び科学の知識により元来、荒唐無稽であったキカイダーをリアルに描き出すこに成功しています。
コードネームが「キカイダー」(機械だ。)であった理由、キカイダーが青と赤の2色でならなかった理由、
良心回路の構成要件、が納得できるように語られています。
よくぞ、松岡氏にキカイダーを書かせるという企画を思いつき、交錯したであろう著作権を整理し、すでに自分のステータスを持つ稀代のストーリテラーである松岡氏に引き受けてもらうといった難題を解決できたと思います。
2014年に映画化ということなので、楽しみです。