2013年12月8日日曜日

191.「そして日本経済が世界の希望になる」ポール・クルーグマン

著者は、「アベノミクス」を大変高く評価しており、標題はその効果が現れた時、世界経済を牽引するとのことです。

 失われた20年から脱却するためには、インフレーションが必要であり、2%のターゲットどころか、4%が最も良いと言っています。

 また、過去15年間の研究から、自国の通貨で借金する国は、借金レベルが高くても、公債について悩む必要はないとも言っています。
 つまり、日本で騒がれている「国の借金」(正確には政府の借金)は、殆どが郵貯などが日本円で買っているので、問題とならないということです。
 また、あわてて返済しようとしなくても、インフレーションが進んでいけば、かつてのイギリスのように自然に減少していくとのことです。

ただ、著者が不安視しているのは、「少子高齢化」と「消費税率アップ」です。OECDは、消費税率アップの実施を要求しているが無視すべきと言っています。なぜなら、3%を5%に引き上げた時に1998年リセッションの引き金となったからです。

クルーグマンは英語しか話せないが国際経済に携わっています。それは、アメリカが大国であるがゆえに、他国がアメリカの言語を学んでくれるからです。

日本の場合は、英語で意思疎通することは多大な利益をもたらす。英語はグローバル経済の入り口だから。それが眼前にある現実。まずは英語をマスターしなければはじまらない。

(青字部分は、本書からの引用)