序盤は、尖閣諸島、日米安保条約、憲法改正、新自由主義、規制緩和と、現在日本で話題となっている問題について悪い方向に進んだ場合のシミュレーションが描かれます。
弁護士(弁理士)などの国家資格も自由化の波で、非関税障壁とみなされ、廃止等により日本語が不自由な弁護士(弁理士)であふれるという描写がありますが、これはTPPによっても起こり得ることだと思いました。
一票の格差是正のための大選挙区制や道州制の導入などがことごとく、かえって地方の格差を拡大させており、今の制度の方がまだよいように感じられました。
小説としては、描写が単純で、御都合主義で出来事が起こるため、薄っぺらい感触を受けましたが、政治問題を易しく伝えるためには、しかたがないのかもしれません。