2014年1月23日木曜日

230.「ハダカデバネズミ―女王・兵隊・ふとん係」吉田 重人、 岡ノ谷 一夫

この本を読むまで、ハダカデバネズミを知りませんでした。それにしても、この名前(裸、出っ歯、ネズミ)はそのまんま、この生物の外観を表しています。

このネズミの生態から、貴志祐介さんの「新世界より」に出てくる「バケネズミ」のモデルではないかと思いました。

デバは、大勢の仲間とトンネルを掘り、一定の秩序の元に生活しています。平均80匹、最大300匹のデバが、3Kmにもトンネルで暮らしています。

繁殖に関わるのは、たった一匹の女王デバと一~三匹の王様デバのみで、生まれた子どもが王様デバとなり、またその女王デバと交尾を繰り返していきます。

その結果、どんどん血が濃くなり、仲間全員が親戚同士となります。その中で、役割分担した方が遺伝子の存続に都合がよいため、一匹の女王、数匹の繁殖オス、数十匹の働きデバと兵隊デバが構成され、秩序を持った社会を形成します。

哺乳類でこうした真社会を構成するのは非常に珍しいそうで、とても面白かったです。