2014年4月3日木曜日

303.「塩の街」 有川 浩

著者のデビュー作です。

人間が突如塩の柱と化す「塩害」。
すごいプロットです。

原因もわからず、人間が塩となっていきます。その世界の中で、人々が平和の時には気づかなかった大切なものに気づいていく。

それは、好きだった人への「想い」。想いが叶えられない人は想い出として慈しみ、まだ時間が残されている人は、その想いを不器用なやり方で遂げていく。

世界は、塩害以前とは様変わりしてしまったが、塩害をキッカケに自らの想いを明確にした人は、それが叶っても叶わなくても、たくましく生きていくという点に希望を見ました。