2014年4月4日金曜日

304.「空の中」有川 浩

著者の2作目。2作目にして 537ページもの長編を世に出せるのは、出版社からの信頼が厚かったからでしょう。

物語は、著者の出身地である高知県の沖合から始まります。
上空2万メートルで新型旅客機とF15が立て続けに爆発します。その事件により、それまで存在を知られていなかった生命体(白鯨)と人間との共生が問題となります。

他の個体を持たなかった白鯨が分裂することで集団の概念。人間が当たり前に生存の前提としていたこの概念と、集団を統制するための「多数決」等の手段が、本当に適切であったのかという根源的な課題に直面します。

個と集団についても考えされられる作品でした。