2014年4月11日金曜日

311.「若者と労働 「入社」の仕組みから解きほぐす」 濱口 桂一郎

日本の就業の仕組みでは、新卒時に採用される場合がほとんどで、しかも、何ができるかは問われません。
何でもできる潜在能力が期待されます。

よって、特定の分野に変に知識があるよりも純粋無垢な人材が求められます。

そして、その判断は、大学受験時の学力によって潜在能力が評価されます。

欧米と企業に対する考え方が根本から異なるため、採用方法や、給与制度も異なります。

欧米:【ジョブ型社会】→欠員補充方式→職務給
日本:【メンバーシップ型社会】→新卒定期採用方式→職能給

日本はメンバーシップ型社会であるため、人に仕事を当てはめます。そのため、他のメンバーとの仕事の境界が曖昧です。

また、新卒定期採用方式を採っているため、新卒時に就職できないと、非正規労働者となり、正規労働者となれる機会は、非常に少なくなります。

正規労働者となった場合は、社会保障や終身雇用が与えられる代わりに、長時間労働、転勤、低賃金に耐えなければなりません。

ところが、非正規労働者が大量に滞留し、企業にとって使い勝手がよいため、企業がブラック企業化しました。

日本の雇用制度の変遷と問題点が明らかにされていて分かりやすかったです。