2014年6月13日金曜日

376.「望郷」 湊 かなえ

瀬戸内海に浮かぶ過疎の島、「白網島」を舞台にした、6家族の悲喜劇を描きます。

45ページの短編が6作。

たった45ページにもかかわらず、島という閉鎖された社会の中での周囲の遠慮ない関心、嫉妬、虐めなど物凄く濃厚に描かれています。

狭い島から逃げられず、興味本位の噂話や陰湿な虐めが永遠に続く。本島との橋が出来たことで島から逃げ出し、新たな悲劇も生まれる。

どれも辛く悲しい物語ですが、最後は希望が見いだせるので、読後にはホッとできます。