2014年8月15日金曜日

439.「know」 野崎まど


2081年の古都・京都に風雅さを溶けこませた高度情報化社会が舞台です。

人類は、あらゆる場所に「情報材」を配合し、そこからデータを収集するために、人類は、頭に電子葉を移植します。

そして、人類は、大量のデータを収集できるようになります。自分が「実際に知っていること」と「ネットで調べられること」の区別がつかなくなり、両者を併せて「知っている」と知覚するようになります。
そして、人間はアクセスできる情報に階層が設けられ、情報により人種差別が行われます。

天才科学者、道終・常イチによって創られ、40年が経過した世界に、電子葉を遥かに上回る解析能力を持つ量子葉を移植された道終・知ルが放たれます。そして、道終・常イチの最後の教え子、御野・連レルと知ルの、世界が変わる最後の4日間が始まります。

非常に独創的な世界観だと思いました。
著者の情報処理に関する知識量も膨大です。難しいデーマながら、とても理解しやすく、読み易いです。とても楽しめました。