舞台は吉祥寺。
知っている街なので、とてもイメージが湧きやすかったです。
「人それぞれ、自分の人生は自分ものでしかない。裏を返せば、そういう意味で、誰のせいにもできないものだ。」
「人間は、未来に希望を失ったときに人間ではなくなる。」
など、それぞれの人物が人生観を問いかけ、読み手は自分の人生が引っかかってしまって、その問いかけを考えてしまいます。
登場人物や、設定が実に趣深く、普通ではない設定が普通の人生を問い詰める感じがしました。
「月は怒らない」という意味不明なタイトルが、最後に深い人生観を表していることに気が付き、鳥肌がたちました。小説にして哲学書のようでした。