2014年8月27日水曜日

451.「空飛ぶ広報室」 有川 浩

航空自衛隊の広報室という、またもや珍しい設定です。

広報室には、報道班と広報班があります。

報道班は、事故があった時などのマスコミ対応を受け持ち、広報班は、イメージアップなどの国民対応を受け持ちます。

自衛隊の意義や実情を国民に理解してもらうための苦労がよく分かりました。

よく知られていない設定を理解してもらうため、50ページ位までは、なかなか読み進むことが難しく、もどかしいです。そこを過ぎると、読むスピードが一気に上がります。

内容がやけに詳しいと思ったら、あとがきにあるように、本書の企画は、鷺坂室長のモデルにもなった航空自衛隊の人からの提案だったそうです。

自衛隊の設立経緯ゆえに、常に偏見と批判の目にさらされてきた自衛隊ですが、世界でもこれほど多くの人命を救った軍隊はないそうです。

東日本大震災でも、松島基地自体が被災しながら、自らの家族を省みず、被災者を救助し続けた姿に感謝の念が絶えませんでした。