2014年8月31日日曜日

455.「ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪」今野 晴貴

近年、話題となっているブラック企業について、その実態を明らかにしています。

本書に出てくるIT企業Y社の社員の追い詰め方は、毛沢東時代に中国共産党のようです。

また、衣料品販売X社の洗脳は、オウム真理教のようです。このX社はグローバル企業とイメージされており、かなり高学歴の大卒が海外勤務を夢見て入社しているとのことです。実際には、入社研修で柔順さを叩きこまれ、地方の店舗で永遠こき使われた挙句、鬱を発症して退社していくそうです。

戦後日本の日本企業では、労働者が職を転々とした。

製造業を中心に企業は新卒を定期採用し、長期に育てる。

新卒の職場を作るため、一斉に人事異動した。

不利な労働環境を我慢してもらうため、終身雇用、年功賃金、厚生年金組合、福利厚生を充実

というように、日本型雇用制度を造り上げました。

しかし、バブル崩壊とその後のデフレにより、
商品価格の低下:利益圧迫

日本型雇用制度の敵対視:終身雇用廃止、成果給導入、厚生年金組合解体、福利厚生の削減

産業構造の変化:製造業から、外食、IT、流通といった労働集約型⇒マニュアル化⇒非熟練化⇒人の価値の低下

正社員の減少:労働組合の弱体化

米国型MBA追随・起業讃美:労働環境は悪くて当たり前という風潮

企業のブラック化
と進んだのではないでしょうか。

そのため、社員ば部品で使い捨て、人格破壊黙認、自殺急増となっています。

これを解消するためには、
新鎖国政策:日本市場を重視し、安全で高品質な製品を高価格で流通させる。
新所得倍増:高価格な日本製品を買えるよう、国民所得を倍増させる。
国家強靭化:公共事業を増やして国土を強靭化するのはもちろん、日本語・科学教育、警察、軍備を強化して強靭な国家を創る。
というのは、どうでしょうか。