2014年9月5日金曜日

460.「物語 シンガポールの歴史」 岩崎 育夫

1965年から、人民労働党一党独裁のファシズムでありながら、政権が腐敗せず経済成長を遂げたシンガポール。

1965年から90年までの35年もの長期に渡り、首相を務めたリー・クワンユーの功績が大きいと思いました。独裁者が私利私欲を求めることが多いなか、リーは、先見的な政策を一党独裁による素早い実行により、シンガポールを急成長させました。

その成長要因の一つには、開発資金を国内で賄えるような仕組みを作ったことがあると思います。労働者の退職後年金に相当する中央積立金で政府国債を購入し、国庫に移転した積立金を政府補助金として準政府期間などの資金にしました。

日本でも同じような仕組みが「国の借金」として非難されることが多いですが、外国の負債が増えないという点でも、実は優れた仕組みだと思います。

一人の政治家の先見の明と、弾圧につながりかねない強いリーダーシップが東京23区の面積しか無い小国の発展を生み出したことに驚きました。