しかし、著者は、その要望に困惑します。
なぜなら、その設定は普通すぎて、何もテーマが絞れていないからです。
困った著者に編集者は、誰かに取材してみてはと提案します。
編集者が連れてきたのが、小森谷くんです。
小森谷くんは、30代前半の、映画編成の仕事をしている普通の人です。
しかし、彼はかつて医師からの余命2か月という宣告から生還していました。その話の前後を聞いているうちに興味が広がり、小森谷くんの生誕から書き起こすこととなったのです。
普通の男性の伝記が面白いのかと疑問に思いながら読み始めましたが、結構面白かったです。大事件など起こりませんが、自分の子供時代も想起され共感できました。