2014年9月24日水曜日

479.「静おばあちゃんにおまかせ」 中山 七里

大学2年生の円は、中学2年生の時、交通事故で両親を亡くします。その後、静おばあちゃんと2人で暮らしています。

静おばあちゃんは元裁判官であり、司法試験受験生の円に、司法の様々な問題点や法に携わる者の心構えを折に触れ、厳しく教えています。

円はある事件をキッカケに刑事の葛城と出会い、捜査に協力するようになります。円の示唆は周囲の常識を覆すものであり、事件の解決の貢献するものでしたが、実は、静おばあちゃんのアドバイスによるものでした。

円は5つの難事件の解決に関わるうちに、自分の両親の交通事故に、ある疑念を抱き始めます。

タイトルから、あまり毒気のないミステリーが想像されますが、さすがは中山七里さん。きちんと毒を含んでいます。

文章も単に物語を進行するものではなく、直接ストーリーに関係ないように見えるエピソードが登場人物像に厚みを持たせています。