静おばあちゃんは元裁判官であり、司法試験受験生の円に、司法の様々な問題点や法に携わる者の心構えを折に触れ、厳しく教えています。
円はある事件をキッカケに刑事の葛城と出会い、捜査に協力するようになります。円の示唆は周囲の常識を覆すものであり、事件の解決の貢献するものでしたが、実は、静おばあちゃんのアドバイスによるものでした。
円は5つの難事件の解決に関わるうちに、自分の両親の交通事故に、ある疑念を抱き始めます。
タイトルから、あまり毒気のないミステリーが想像されますが、さすがは中山七里さん。きちんと毒を含んでいます。
文章も単に物語を進行するものではなく、直接ストーリーに関係ないように見えるエピソードが登場人物像に厚みを持たせています。