仏教といえば、キリスト教やイスラム教といった、神を信じる宗教というイメージがありますが、実は、ブッダが到達した論理学であり、哲学です。
根本は、解脱(輪廻からの脱出)を目標として、「何もかもどうでもいい」という境地に達したことです。
出家僧は、この考えをどんどん難解なものにしていきましたが、民衆の「超常的な存在が圧倒的なパワーで救ってくれたらいいのに」という要望とズレていきます。
そこで、旅芸人のような存在だった法師が民衆に「法華経」や「般若経」などの大乗経典を広めます。これが大乗仏教です。しかし、大乗経典は、誰が書いたものか分かっていない「創作物」であり、釈迦自身は語っていません。大乗仏教は、いわば当時のかなり胡散臭い仏教系新興宗教でした。
大乗仏教の人たちは、出家した人たちを「自分しか救えない」と馬鹿にしたのが、小乗仏教(=自分しか乗れない小さな乗り物)です。
この本で仏教の概略が把握できました。ふざけた設定ですが、参照している本が数多く、どれもしっかりしているので、内容は確かです。