2014年10月2日木曜日

486.「国際メディア情報戦」高木 徹

基地を意味するアラビア語の「カイダ」に定冠詞をつけた「アルカイダ」。

そのリーダーであるビン・ラディンをアメリカ政府が暗殺した際、SEALsは、潜伏場所から大量の資料を持ちだしたそうです。

そして、真っ先に行ったことは、ビン・ラディンが大量のポルノビデオを保有していたことを公表することでした。

暗殺による殉教者化を権威失墜によって防ぐことが目的と考えられるそうです。確かに、ビン・ラディンは殉教者とみなされていません。

また、アメリカのPR会社ルーター・フィン社がボスニア政府からの依頼を受け、当時のユーゴスラビア政府を国連追放に追いやり、ミロシェビッチ元セルビア大統領の逮捕にまで、影響を与えたという話に驚きました。

タイトルはそっけなく、魅力に欠けますが内容は非常に面白いものでした。著者の想像も多いのですが、あながち全てが想像とは思えず、情報戦争の内実が分かります。