2014年10月16日木曜日

500.「ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち」三上 延

古本屋の若き女主人、栞子が、本にまつわる豊富な知識と深い洞察力で謎を解き明かしていきます。栞子は、巨乳でメガネっ娘という萌えキャラで、ラノベの読者がターゲットだったようです。

本の装丁や、出版社の情報など知らない話が多く、著者の造形の深さに感心します。それらをうまく使って、独特のミステリーを作り上げています。4つの短編からなりますが、3作目までは、毒がなく、悪くはないのですが物足りなかったです。

4作目に、全編を貫く悪意が表出し、物語に緊迫感を与えます。読み終わったときに満足感を与える作品です。