2014年10月22日水曜日

504.「世界から猫が消えたなら」 川村 元気

2015年春に佐藤健さんと宮崎あおいさんの主演で公開される映画の原作です。

「僕」は、脳腫瘍ができたために余命半年と宣告されます。そんなもとに悪魔が現れ、世界から一つモノを消せば、一日だけ生きながらえることができると持ちかけられます。

僕はその取引に応じ、まず世界から電話が消えます。
電話は僕の重要なコミュニケーション手段でした。
次に、映画が消えます。映画は、元カノの仕事であり、彼女の全てでした。
そして、時計が消えます。時計は、僕の父親の仕事であり、父の人生でした。

ついに、悪魔は、猫を消すことを持ちかけます。
猫は、僕の亡くなった母の思い出であり、僕は、形見であるキャベツという名の猫を飼っています。

悩んだ末に彼が選んだ道は・・・

一つのモノが消されるたびに、読者もそのモノの大切さを振り返ります。

男の子が成長するに従い、同姓である父親と対立し、やがてそれを乗り越え、関係を再構築していくというテーマがあるように思えました。