2014年12月26日金曜日

550.「笑うハーレキン」 道尾 秀介

東口は、子供を亡くし、妻には逃げられ、経営していた家具会社は倒産します。川辺に流れ着いてホームレスとなり、家具造りの技術を活かして、家具の修理をしながらその日を生きつないでいます。

ある日、東口の車に奈々恵という女が侵入し押しかけ弟子となります。東口と奈々恵の奇妙な共同生活が始まりますが、奈々恵は何かを隠しているようです。

人生の底辺まで堕ちた人間が希望もなく無気力に日々を生きながらえる。お金がない弱みに付け込まれ、更なる窮地へと追い込まれて命まで失ってしまう。

そんな状況でも仕事を続けることで生きる糧を確保していくうちに、新たな希望に出会えることがあるということを教えてくれました。人生をやり直すことに年齢は関係ないと勇気づけてくれます。