2015年2月20日金曜日

581.「少年探偵」小路 幸也

江戸川乱歩生誕120年記念オマージュ第3弾です。

乱歩の文体を貫くのか、自分の文体で行くのか、どっち付かずの中途半端な印象です。

なかなか事件を描かず、人間関係や人物描写を説明するうちに本の半分を過ぎてしまいます。そのため、あまりテンポが良くなく、読み進めるのに少し苦労しました。

その後の展開も辻褄があわず、結末に向けたご都合主義に見えます。独自の発想は面白いのですが、少年探偵団の世界観を損なっているように思いました。

著者は、既存の世界観に囚われず、自分の世界観でオリジナルの話を書いた方が実力を発揮できるのではないでしょうか。