2015年3月17日火曜日

599.「教団X」 中村 文則

570ページという長編小説。
アマゾンのカスタマーレビューも賛否両論なので、正直、読むかどうかを悩みました。
著者の過去の作品にはずれがなかったため、覚悟して読み始めました。

結果は、読んで正解でした。
宇宙、宗教、性、貧困、搾取、戦争などに関する、様々な思想が語られます。各人の独白が長いため、途中で読むことを諦める人も多いと思いました。

私は、こういったテーマが気になるので、興味深く読み進めました。登場人物の思想を小説にしては深く記述しているので、作者の労力は多大なものであり、それをやりきった能力は非常に高いです。

こういったテーマを考える機会が得られる、重厚な思想小説でした。